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【だろうじゃなくかもしれない】  きみさんち 松林

2014年12月09日 | きみさんち

昔、教習所で“だろう運転”をせず、“かもしれない運転”をする様にと、教わった事があります。
どういう事かというと、運転中に交差点から人が飛び出してくる“かもしれない”と注意しながら運転する事。そんな事はない、大丈夫“だろう”と油断しない様に運転する事です。
この話は運転に限らず、仕事や生活、何にでも当て嵌まると思っています。
特に私達の仕事は、入居者の皆さんに安全と安心を提供しなければならないものです。少しの時間だから大丈夫だろうと、コンロの火を点けっぱなしでキッチンを離れたり、椅子を出しっぱなしにしていたりする事で、とんでもない事態が引き起こされるとも限りません。
ある行動の先には、危険が潜んでいるかもしれないと、想像しながら動く必要があります。
とは言うものの、常に“かもしれない”ばかりでは、何も出来なくなってしまう恐れもありまね。
そうならない為には、物事を見極める力と想像力を養う必要があるのだと思っています。
それらが成長すれば、“きっと”や“必ず”といった強さが出てくるのではないでしょうか。
そんな事を思いながら、きみさんちで5年が経った私の口からは、まだまだ、“きっと”や“必ず”のフレーズは出て来ません。
“かもしれない”運転ばかりなのかもしれないですね。

08:08 | Posted by admin

【編集後記】 林田

2014年12月09日 | 編集後記

最近、皆さんもライン(Line)やフェイスブック、ツイッターなどをされていることと思います。いわゆるSNS(ソーシャルネットワークサービス)です。便利ですし、新しい出会いや自分を表現するなど多様な楽しみ方があります。
ですが、先日東京都のGH協議会の研修にて、入居者の情報をラインで共有しているという発表がありました。
そのことに、私は危惧を抱きました。
職場の情報を各職員の個人端末でいつでも見ることができる。もし、落としたりほかの人が見たらそれは守秘義務違反ですし、先日もラインの成りすましが問題となっていました。
便利なものには必ず落とし穴があります。 職場の情報などの取り扱いも厳密にしなければと考えています。

08:08 | Posted by admin

バイキング】  のんびり家3F 永辻

2014年12月09日 | のんびり家::のんびり家 3F

この前、のんびり家合同の日帰り旅行で品川プリンスホテルまで行って来ました。
お昼はバイキングだったのですが、洋食や中華など美味しそうな料理がたくさんあって、本当に目移りをしました。
グルメなTさんは1品ずつ料理を見極めて食べたい料理だけをお皿に乗せていました。メインにローストビーフが出たのですが、ローストビーフの専用のソースをかけてナイフとフォークを使って、食べやすい大きさに切って食べていました。食べ終わると、「これが一番だね。」と一言。美味しい料理がたくさんあっていつもよりも食べたTさん。食べ終わって食後のコーヒーを飲んでいる時に満足そうな顔をしていたので、一緒に来られて良かったです。
また美味しい物を食べに行きましょう。

08:07 | Posted by admin

【向き合う姿勢】  のんびり家2F 石井

2014年12月09日 | のんびり家::のんびり家 2F

先日、のんびり家の日帰り旅行が無事実施することが出来ました。当初の予定では10月でしたが、天候の問題で延期となり何とか11月と寒い時期ではありましたが実施することが出来て本当に良かったと思います。ほぼ、毎年形を変えながら実施していますが、このような計画が始まると以前自分自身が計画した日光の宿泊旅行を思い出します。
当時はのんびり家に勤め始めて数年が経過していましたが、ずぼらな性格のため旅行の計画を立てるのに四苦八苦しました。
どのような視点で宿を選ぶのか、部屋の構造は、料理内容は、エレベーターはどのような広さなのか、入浴の場所はどうなっているのか……(この記事で詳細まで記載することは書ききれないくらいの量になります、ほぼ不可能なのでこのくらいにしておきましょう。)
当時は考えているようで、細かな部分がまったくといっていいほど考えられていませんでした。
日光の旅行では移動中の車の中で経管栄養をしたり、宿に吸引器を持ち込んだり、想定を遥かに超えることもありました。
薬やお金の管理も全て担っていた私はとても焦りましたが、当時の管理者や経験豊富な周囲の職員の力により何とか無事に旅行を終えることが出来ました。
そのバタバタした旅行の最中にカラオケを実施したのですが、そこで繰り広げられた光景は今でも鮮明に覚えています、というよりも強烈に脳裏に焼き付いています。
軽快なステップを披露してくれたNさん。いつもは足が痛いはずなのに…。
そして、カラオケの機械のマイクなんて関係ないくらいの大声で歌うSさん。その姿に圧倒されながら、Nさんと寄り添いステップを踏み、その度に「違うわよ。」と私の肩においた手で叩かれ怒られました。その際に、Sさんは大声で眉間にしわを寄せながら「やれば、出来るのよ。」と歌をうたいながら豪語していました。
この言葉はSさんが発した言葉なのですが、その後この法人で仕事をしていくうちに、この言葉がとても大切なことに気付きました。「やれば、出来る。」という言葉の中には様々なことがイメージすることが出来ます。まるで、Sさんは全てを代弁しているかのようにすら思えてきました。
それは、様々な疾患があろうが、認知症状態にあろうが互いに向き合っていくことが何よりも必要なことなのだろうと感じました。互いに人として尊重し、信頼し合いながら関係性を築いていくこと。そのためには、何事にも「向き合う姿勢」が重要ではないかと思っています。
短絡的に何かが出来たから良し、出来ないから駄目ではなく、個々がどのようなことを感じて、どのように向き合うのかがとても重要なことだろうと思います。職員と入居者という垣根を越えて時間をかけて向き合っていく中でその時々の価値観に触れながら仕事に努めたいと思います。という風に記事を書いていると、脳裏に新しく入居されたばかりのKさんの「どっこいしょのしょ。」と歩く姿が浮かんできます。

08:07 | Posted by admin

【飲み会ラッシュ】  お寺のよこ 岡田

2014年12月09日 | お寺のよこ

11月の下旬頃に、9月で退職した常勤の職員の送別会をしてから、職員と飲みに行く機会が多くなりました。送別会の翌日には11月に新しく入職した常勤職員の歓迎会、12月上旬には法人全体の忘年会、そして下旬にはお寺のよこでの忘年会がありました。
さらに1月には法人全体の新年会と、12月で退職した常勤職員の送別会もあるので、本当に飲み会ラッシュと言う状態です。
酒はあまり飲めないですが、別に参加する事に抵抗はありませんし、仕事をしていく上でのいい経験ではあると思います。

08:06 | Posted by admin

【旅行前夜】  のんびり家2F 福田

2014年11月26日 | のんびり家::のんびり家 2F

11月12日はのんびり家2階と3階合同で、品川プリンスホテル内のランチと、アクアスタジアムへの日帰り旅行を企画していました。その前日の11日から12日の朝までの夜勤が私でした。当日の出発時刻を考えても、やはり人によってはいつもより早めの起床になるので、次の日を楽しむためには、出来ればある程度の時間で就寝できるような雰囲気と支援が大切かなとは考えていました。
「明日はここと、上の階の方と一緒にホテルのレストランでビュッフェですって」と話すと皆様「?」状態に。…はっ!「…バイキングですって!」と言い直すと「ああ、良いわねぇ」と言う方もいればまだきょとんとした方も。「……食べ放題ですよ!楽しそう!」「あらーそうなの」と変換三段階に。
皆さんの中では就寝が早めのOさんにまずは声を掛けてみようと側に寄ると、おや…机の上になにやら義歯が…。乾燥はあまり良くないので、置いてあるのは預かりますね。
その他就寝前にお腹がスッキリする方もいれば「まだ(寝ない)」と首を振る方も。少し時間を開け、再度Kさんに「明日水族館でイルカショーも見るんですよ」と話題にすると「イルカね。食べたことある」。
「えっ。…鯨はどうですか?」
「鯨は食べたことない」
そんな話をしながらも、自室で横になったときには直ぐ目を閉じて眠りについていました。
夜間帯はしっかり休まれているようで一安心。そして待ちに待った日帰り旅行当日です。バスにも乗りますし、お昼ご飯が豪華なので、一杯食べられるよう朝は質素に。まあ、品川プリンスホテルのランチバイキングと比べたらなんだって質素に見えそうではありますが。
さて。楽しんで来て下さいね!お土産話とたくさんの写真を見るのを楽しみに、行ってらっしゃい~。

14:35 | Posted by admin

【1泊研修を終えて】  きみさんち 田中

2014年11月26日 | きみさんち

先日、東京都地域密着型サービス事業者連絡協議会主催の1泊研修に11月20・21日と参加させていただきました。
日々利用者さんとの関わりは代わりが無いのですが、他施設のスタッフさんとお話できる機会はこういう研修を通してでないと中々出来るものではなく、今回も新鮮な気持ちで参加させていただきました。
話の内容は、地域に密着した支援の実践例が主でしたが、本当に、多種多様な支援法方があるのだと痛感させられます。
私はきみさんちに在職し6年ですが、私と同じ様にどの施設でもどのようにケアしていけばいいのだろうと日々悩みながら支援を行っている同業者が居るという事を知る上でもとても勉強になります。
こういう時はどうしていますか?と言う質問を投げかけられたとき、きみさんちは基本自由で、お買い物も自由に行って頂いています。と言う答えを発した時、事故などの心配は無いのですか?道に迷ったりしたときは?と言う驚きの表情をされ、聞かれている方がいらっしゃいました。
また、ある施設の方から、フリーマーケットをやっている。と言う情報を頂き、きみさんちでも出来ないかと考える自分がいたり、自分自身の発見もあり、勉強しながらこれからの自分ときみさんちの皆さんへの支援法方を改めて考える有意義な時間を過ごす事が出来ました。
リスクは生きているうえで切っても切れないものだという事を頭に置きながら、いかに地域に足を踏み出してもらえるか、地域の方にどのように知ってもらうべきなのか、もっと深く追求していこうと思える研修でありました。

14:34 | Posted by admin

【はさみ】  のんびり家3F 浅井

2014年11月26日 | のんびり家::のんびり家 3F

のんびり家でお仕事をさせて頂くようになってもうすぐ1年。
業務はそれなりに覚えたものの、 肝心の支援は?というと・・・。
相変わらず、考えながら悩みながらの日々です。
仕事を終え、のんびり家を出て家に着くまでの時間が反省タイムです。
でも家に着いたら仕事の事は一旦忘れ、今度は祖母との触れ合いタイムです。
突然ですが、我が家は、私の祖母(もうすぐ95歳)と、主人と私の3人暮らしなのです。
つい先日、祖母の服薬の介助と見守りをしていた時、ふと、いつも当たり前のように薬の袋を開けてから渡してい
るけど、まだ自分で開けられるのかな?と思い、袋のまま渡してみました。
すると祖母は、動かしにくくなっている指先で一生懸命開けようとしています。
暫く悪戦苦闘するも開けられず、顔に苛立ちが見え始めました。そろそろ「開けて!」と言ってくるか「もういや!」と放り投げるか、 どちらかだろうと思って見ていたら、祖母はこう言いました。
「はさみどこ?」
これは私にとって予想外の答えでした。 はさみを渡すと、不器用ながら薬の袋を切りました。
あれ、まだはさみ使えたんだ? じゃあなぜ、薬の袋を開けて渡すようになったんだっけ? なにか理由があっての事だったっけ?
思い返してみたら、理由はありました。
[袋を開けずに渡すと見守りに時間が掛かるから]
祖母側の理由じゃありません。私側の都合でした。
今よりも更に無知だった私の祖母に対する介護は、自立支援なんていう発想自体が皆無で、安全を最優先にしてきたつもりだったけれど、 合理性が最優先であった事を思い知らされました。
[祖母は自分で薬の袋を開けられるのか?]
のんびり家の一員になっていなかったら、きっとそんな事に興味を持てていなかったと思います。私もこの1年で、ほんの少しは成長出来たのかな?
知った気にならない事。勝手に諦めない事。決め付けて思考を停止しない事。見ようとしなければ見えないものがある事を忘れずに。2015年は、もう少しスピードを上げて成長したいと思います。

14:33 | Posted by admin

【箱根旅行】  お寺のよこ 後藤

2014年11月26日 | お寺のよこ

私が初めて企画した東京駅ランチから5ヶ月。
10月29日~10月30日の1泊2日で、お寺のよこ念願の(?)箱根旅行に行ってまいりました。
1週間くらい前にEさんに書いてもらった「10月29日~30日 箱根旅行 」の宣伝を見ながら、「もうすぐ行くんだね」
「早いねえ」という会話が、旅行前、入居者さんの間で交わされていました。
前日には「足手まといになるから行くの止めようかな」「やっぱり行こうかな」と迷っていたNさんも、当日になるといつもよりもおしゃれをしてバスに乗り込みます。
誰よりもこの旅行を楽しみにしていたSさんは、バスの中でもやっぱり一番楽しそう。
いつもお散歩に行くTさんとSさんの2人組は、バスでも隣同士で仲良く寝ていました。
箱根湯本の駅に着くと、散策組みは降りて、御土産を購入したり、甘味屋さんに行ったりと、満喫したようでした。
一足先に旅館についた皆さんは、マッサージチェアに座ってみたり、昼寝してみたりと、自由な時間を過ごされていました。
箱根で忘れてはいけないのが温泉です。旅行に行こうか迷っていたNさんは、きっと誰よりも温泉を満喫していました。
ジャグジー風呂の泡で浮いてしまうNさんは、とっても気持ち良さそうな表情。「温泉で転倒しないように」を目標にして緊張していた私も、その表情を見たときは穏やかな気持ちになれました。
そして待ちに待った晩ご飯。いつもとは違い、目の前に並ぶ豪華な料理に、さっきまで
休んでいたWさんやTさんも、思わずにこにこ。美味しく頂き、お腹一杯になりました。
夕食後はカラオケ大会。お酒が飲みたいと、自販機でビールを購入した唯一の男性入居者Kさん。お酒が強そうなイメージでしたが、ビール1缶で真っ赤になっていました。ですが、いつも歌う石原裕次郎は相変わらずの美声でした。
皆さんお疲れで、夜は朝までぐっすり眠れたみたいです。
SさんとNさんは、朝にも温泉を満喫されていました。
朝食はバイキング。ついつい多く取りすぎてしまいます。朝食後、ゆっくりしてから記念撮影。その後は、昨日箱根湯本を散策していなかったEさんとNさんが、箱根湯本へ。有難いことに私も一緒に行かせていただき、お土産を選ぶのをお手伝いさせていただきました。
帰りのバスの中、富士山が見えました。「いつも良い事してるからかな」「いい天気でよかったね」と皆さん嬉しそう
です。
旅行中、一番満喫しているように見えたNさんに、「今度はどこへ行きたいですか」と聞いたところ、「もうどこへも行きたくない」と予想外の答えが返ってきて、バスの中は笑いに包まれました。皆さん寝ている中、バスはお寺のよこに到着です。7年ぶりの宿泊旅行は、色んな表情を見ることができ、とても充実したものになりました。来年はどんなところへ旅行に行くのか、気が早いですが想像しています。

14:32 | Posted by admin

【編集後記】11月 林田

2014年11月26日 | 編集後記

毎年、事業所の旅行に同行させてもらうのですが、今年はのんびり家とつげの実の旅行に行きました。
他の事業所も様々なところに行っているのですが、なかなか時間が取れずにこの2事業所だけになりました。のんびり家の方は、一緒にちょっと食事をしただけで、水族館まで行けなかったのでとても残念でしたが、つげの実は、運転手として旅行全行程をいっしょにすることができました。
グループホームを立ち上げて、最初の旅行は当然きみさんちでした。富士山の5合目まで行ったのが最初だったように思います。そのあと、中華街と続いて、そのころにはのんびり家、お寺のよこと事業所が増えましたので、様々なところへ行きました。
本当に、様々なハプニングや日頃見ることのできない入居者さんの底力を感じることができ、とてもいい思い出です。
かなでも、夜中にパンを買いたいと言われ、遠くの街の明かりを見つめ「あそこまで歩く。連れて行って。」と言われたことがありました。私が寝たふりをすると、足の裏を杖でくすぐられ、それでも寝たふりをしていると、杖で床や壁をたたかれ、「一人で寝かさない。みんな起こしてやる!!」と言われました。また、この方と違う方ですが、旅行先で「帰ります」と言われ、高速道路を逆方向へ歩かれたときなど、今でも掌に汗が出るぐらい明確に覚えています。
ですが、お2人とも旅行から帰ってくるときには「楽しかったわね」と言われ翌日には覚えていらっしゃらない。ということは同じでした。
旅行に行くことは、ご本人にとっては、覚えてなかったり、行った先で不安になられたりとリスクも高いのですが、やはり、ご本人のことをよく知り人間関係をきちんと構築することができれば、旅行中も楽しんでいただき、帰ってきてからも明確な記憶がないものの楽しかった気分は残されたりします。また、何よりもスタッフに余裕ができ、帰ってきてからのスタッフたちは、一回り大きくなることがほとんどです。
今年、つげの実の旅行に同行して、違うことを考えました。私自身が自分の直接ケアする力を試すことができ、入居者さんのことについて知らないことが多く、そのことをスタッフに尋ね、数時間で自分が成長していくことを感じたのです。
自分の中に、過去の力と今の力を合わせることで直接支援する力を成長させることができ、以前追い込まれて掌に汗をかくような状況でもそれを楽しめたりしました。
そして、何よりも考えたのは、私が釈迦利器にならなくてもつげの実のスタッフたちだけで、十分利用者さんに対応しているプロの姿をうれしく見られたこと、ほかの事業所も私が旅行に同行しなくても、旅行を無事に、楽しんで帰ってくることができるようになったということでした。
本当に、こんなにうれしいことはありませんでした。
今の私は、職員と一緒に成長できていることが旅行を通して感じとり、また違う次元でこの仕事をとらえ、入居者さんとの生活を楽しめるようになったと感じています。(林田)

14:22 | Posted by admin

【子豚、紅葉、柿、カイロス】 志寒

2014年10月28日 | きみさんち

きみさんちでは10月27日、28日と千葉県のマザー牧場とその近くのオークラアカデミアパークホテルに一泊旅行に行ってきました。
雨こそ無かったものの、残念ながら27 日にマザー牧場に到着したころは、寒冷前線の通過と、南よりの風に運ばれた雲で日が差さず、やや肌寒く薄暗い日よりとなってしまいました。とはいっても、牧場では子豚のレースに笑顔が弾け、ホテルでは練馬よりずっと赤みの濃い紅葉の景色を楽しまれておられました。
幸い、翌日28 日は快晴となり、予定変更をして帰り道で海ほたるに停車し、青々とした海と空を堪能することができ、とても良い笑顔を見ることが出来ました。
さて、私がきみさんちに来て、良かったなと感じることは沢山ありますが、そのひとつに季節感をとても大切できるということがあります。日々の外出の暑さ寒さ、芽吹きや季節の花々、買い物で手
にとる旬の食材。日常の中でご入居者さんと一緒に、そんな季節の移り変わりをじっくりと楽しむ事が出来ます。
「あー!寒い寒い!」「あれぇ、梅の花が咲いてるよ」「暑くてやりきれないから、アイス食べましょお」「さつま芋がこんな安くなるってのは、もう、そんな季節かねぇ」
もし、空調が完璧に効いた屋内で、外出もせず、店先で値札を見つめることもない、そんな生活だったら、ここまで季節を感じ取ることができるでしょうか。
認知症の症状のひとつに、いま、いつ、どこで、どのような状態にあるのかを認識することが難しくなる、見当識障害というものがあります。
例えば、昼夜の区別を見失って夜中におはようと起きてこられたり、季節外れの服装をしておられたり、自分はいくつなのか分からなくなったりすることが時間の見当識障害の表れだったりします。
きみさんちでは、どんな季節でも、折に触れ、やたらと「梅雨の走り」と仰る方がいます。その人がそう仰るときはややうす曇りで雨の匂いがしたり、押入れが湿ってしまって何とかしなきゃと思っているときだったり、血圧の関係でボーっとするときだったりします。もちろん、客観的に見ると、時間の見当識障害であることは間違い無いのですが、もしかして、時間の見当識障害があるがゆえに、季節感のアンテナがむしろ敏感なのかもしれません。
心理学の用語にクロノスとカイロスという言葉があります。
両方ともギリシャ神話の時間の神を由来としているのですが、クロノスは量的な物理的時間、カイロスは質的な心理的時間の事を指します。同じ10 分でも楽しいときはあっという間で、ストレスがあるときは長く感じるように、クロノスとカイロスは決してイコールではなく、心の世界にとってはカイロスの方が重要だといいます。
おそらく時間の見当識を失ったとき、コチコチと無機質な音を立てる時計が刻むクロノスは、さほど意味を持たなくなってしまうのかもしれません。
さて、変幻自在のカイロスに生きるその利用者さん。柿がとっても大好きで、ご入居当初、買い物への意欲を引き出すために「柿は美味しいよね!」「季節もんだから一ヶ月もお店にないよね!」「いまがチャンスだよね!」と声をかけ続けていました。
そして今は柿の季節です。
このところ、毎日毎日、“私”が柿を食べ続けています。どうも柿を美味い美味いと言い続けている内に、自己暗示にでもかかったのか、私のほうが柿が大好きになってしまいました。・・・いや、本当に柿が大好きだったのは、私だったのか、その入居者さんだったのか・・・どうやら私も心が変幻自在になってきたようです。
認知症への理解を促進する活動に認知症サポーター養成講座というものがあります。その講座を受け認知症サポーターとなった人はその証として、オレンジリングを手渡されます。実はこのリング、オレンジとは言っていますが、本当は柿色なんです。江戸時代、酒井田柿右衛門という陶芸家が柿の色をヒントに赤い陶器を作ったところ、世界中で認められる名品となり全世界に広がっていった事にあやかり、柿色としたそうです。
柿と心。変幻自在にどんどん広がっていく、不思議な魅力があるようですね。

22:50 | Posted by admin

【温泉旅行の旅】 お寺のよこ 田口

2014年10月23日 | お寺のよこ

記事を書いているのは現在10月ですけど“どっこいしょ”に掲載する頃には、11月12月位になっているのでしょうか。季節はあっという間に過ぎていきますね。
これからの季節は特にインフルエンザやノロウイルス、二次感染を起こす事にも注意が必要ですね。
我々職員もプライベートでもマスクをつけ狭い空間や人混等を避けたり、小まめに手洗いうがいをする工夫が必要です。
10月の後半はお寺のよこで箱根旅行温泉の旅を行います。
今回は私が企画を担当しています。色々と大変ですがとても楽しみです。
皆さんが万全の体調で参加をしていただいて楽しい思い出が築ければなあと心より願っています。

01:58 | Posted by admin

【ある日の散歩で】 のんびり家2F 柿沼

2014年10月23日 | のんびり家::のんびり家 2F

「何してるの?」通りすがりに、下の方から聞えた小さな声が私達に尋ねる。
「ん?ん?」と見ると、七、五、三の和装をしたかわいい男の子がいた。お母さんの自転車の後ろに乗せてもらう手前で、私達が何をしているのか気になったらしい。
他の人が足早に動く中、5人でゆっくり、ゆっくり歩いていたし、私は一人の入居者さんと手をつないでいた。
なんていい質問なんだろう。(子供だけに直球の質問!)と思いながら、「台風が来る前に皆で散歩とお昼を買いに来たんだよ。おじいちゃん、おばあちゃんは80もとっくに過ぎているから、ゆーっくり歩いてこれから帰るところ」と告げると、「じゃあ、こんなのは出来る?」と首をぐ~んと後ろに伸ばして見せた。傍でお母さんが微笑んでいる。
「う~ん!それは無理だなぁ」「着物かっこいいね!」「年はいくつ?」と男の子と利用者さんのやりとりが始まる。
利用者さん全員、ニコニコしている。
男の子との別れ際、それを言おうか、言うまいか迷っていた時だった。Kさんが大きな声で「遊びにおいで!」と言うのを聞いて、私はよかった、余計な事を言わなくて。と思った。
そう、大事な事は本人に言って欲しい。「私達はここにいるよ」って。
その日の外出はとても楽しかった。

01:02 | Posted by admin

【Hさん】 のんびり家3F 新山

2014年10月23日 | のんびり家::のんびり家 3F

こんにちは。6月上旬から新しく入居者が入居されました。名前は、Hさんです。
初日の夜勤が新山でした。Hさんの情報を少ししか知らず、どのような状態なのか分からなくてとても不安だったのを今でも覚えています。
Hさんが、のんびり家2階に来訪。私は、少ししてからHさんに挨拶をしましたが「え?」って表情をされました。(そうだよね、いきなり誰?と思っているはず。と思い様子をみる)
夕食の献立の時間。試しに料理本を目の前に置いてみる。少しすると右手で料理本をペラペラめくり出す様子。
お肉とお魚を指差して「お肉とお魚どちらが好きですか?」と質問する。と、「嫌い。」と一言。(うーん。と悩む新山)
次に、歌謡曲を流してみる。すると、両手でパンパンと手拍子したり所々歌いだす様子。(あ、歌が好きなんだ。と知る)
ある日、食事作りは出来るのだろうか、と思い、Hさんが座っているテーブル席にまな板とネギと包丁を置く。すると、包丁を手に持ちネギを押さえてザクザク切り出した。(うわ、すごい。切れるじゃんと感動する新山)←(・・・)は新山の心の声です。(笑)
娘さんに、その事を伝えると「えー、料理なんてしたの何十年ぶりかな。すごいじゃん。」と喜んでいるご様子。
更にある日の出来事です。素敵な男性がHさんに挨拶をすると、くしゃっと表情を歪めました。素敵な女性が挨拶をしても表情を変えることはなかったのに・・・不思議です。
今思うと、表情をくしゃっとするのは嫌だからではなく笑顔の表現をしていたのだと。女性は、何歳になっても異性に対して喜びを持つものなのだなと感じました。私も、何歳になっても恋していたいなと思います。
それから3ヶ月後くらいに、Hさんは、のんびり家を退去されました。退去された日、新山は勤務ではなかった為、お別れの挨拶ができませんでした。それがとてもとても残念で仕方ありません。
近々、入居者とHさんに会いにいこうと思います。のんびり家2階で過ごした3ヶ月間、色々なことがありました。数あるHさんについて新山なりに知れたことを少し書かせて頂きました。どこへいってもHさんらしく生活して下さい。また、ご近所で会える日を楽しみにしています。本当にありがとうございました。

01:00 | Posted by admin

【初めの一歩】 浅井

2014年09月20日 | きみさんち

初めまして、6月に入職しました浅井と申します。
3ヶ月が経ち業務の流れは把握できてきましたが、臨機応変に動くことの難しさを痛感し奮闘する日々です。
今回は自己紹介がてら、<きみさんち>で働こうと思ったキッカケを書かせて頂こうと思います。

京都に住む父の叔母がアルツハイマー型認知症と診断されたことが、介護職に就こうと思った動機でした。
最初はデイサービスや訪問介護サービスを受けていましたが、転倒でのケガを機に自宅を離れ老人保健施設に入所することになりました。
知らない場所で暮らさなければいけないストレスを少しでも緩和できればと、土日を使って京都と東京を往復する日々を送る父。旅行に連れていったり母が買った洋服をプレゼントしたりと、少しでも喜んでもらおうと叔母のために動く父を見て、尊敬すると同時に心配にもなりました。

これまで30年以上不動産業のサラリーマンとして働き続けてきた父にとって、介護は『初めまして』の世界です。
平日の仕事や京都までの移動、そして叔母の介護。体力面はもちろんですが、精神面でもかなりの負担の筈です。
そんな生活を続けること半年。その週も土曜に京都へ旅立ち、日曜に家に帰ってきてヘトヘトになっている父に「疲れてる時は行かなくてもいいんじゃない?」と声をかけた時がありました。
「施設の人を信用してないわけじゃないけど、100%信じきれていない部分もあるから、直接顔を見に行かないと不安なんだよ」と父。
それもそうだなあと思うと同時に、会っていない時間も心配しどおしなんだな、と父が日々どれだけ叔母のことを気にしているのかを改めて痛感しました。
そして、介護を受ける方が増えている現在、父と同じような思いを抱えて暮らしている方もたくさんいるんだろうなあと考えました。

日頃から漠然と「誰かの役に立つ仕事がしたい」と考えていたけれど、具体的に何がしたいか決められずにいた私にとって、目指すべき道が見えてきたように思いました。
ふと施設で暮らす家族を思った時に、自分がいなくてもきっと楽しく過ごしているだろう、いつもと変わらず暮らしているだろう、と安心して家族を任せられる介護をしたい。
それが私の目指す「介護」です。

これから色々な方と触れ合い、様々な経験をするなかで目標は変わり増えていくと思いますが、根っこにある今の気持ちを忘れずにいたいと思います。
作文のように畏まってしまった文章になってしまいました。
文章力も鍛えていかなければですね、、、
それでは、今後とも宜しくお願いします!

09:45 | Posted by admin