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【外出企画】   お寺のよこ 谷野

2013年06月05日 | お寺のよこ

先日、Sさんと上野まで行ってきました。
今回の外出のテーマは、上野公園でのんびりしていただくことと、いつもの事ですが美味しいものを食べていただくことです。
上野公園に着くと、民族音楽の方が聴いたことのある曲を数曲演奏されており、Sさんも良い表情で最後まで聞き入っておられました。演奏が終えて、噴水広場の芝生に向かい、今回一番したかった、芝生の木陰にシートを引き寝転がって青空を見ることです。ふたりで横になって空を見ると葉桜の隙間から青空が見えます。これがしたかったのですよ!と、横を見るとすでにSさんは隣で体育座りをされていました。人前で横になることに抵抗があったのでしょうか、吉永小百合も古い映画では土手で寝転がっていたような気がしますが、相手役がいけてなかったからでしょうか。
昼食は不忍池沿いの老舗洋食店でカツレツをおいしそうに召し上がっていただくことができました。
外出先については、Sさんはうなずいてくれるものの私自身が決めた場所であり、食事内容についても同様で、Sさんの生活のご様子から、どんなことで楽しんでいただけるのか想像して企画します。
上野からの帰り道では今日の失敗だらけの内容を踏まえながら、次回の外出企画を考えてまた新たな妄想が膨らみます。
5月23日にお寺のよこでは、3月30日に亡くなられたMさんのお別れ会がおこなわれました。担当職員がMさんの誕生日に召し上がっていただきたかった和菓子を入居者様と職員に振る舞い、お寺のよこでのMさんの写真を見ながらMさんを偲びました。アルバムのMさんは素敵な笑顔ばかりで、生前もみんながMさんの笑顔に元気づけられておりました。ありがとうございました。

10:56 | Posted by admin

【夢の季節】 志寒

2013年05月23日 | きみさんち

厳冬もどこへやら、あっという間に桜の季節が過ぎていきましたね。
今年はとちの実と合同で所沢の航空公園にお花見を計画しておりました。ですが、まだ肌寒いころに立てた日程でしたので、当日は見事に葉桜見物と相成ってしまいました。
とはいえ、久々の入居者さん全員での外出。電車に乗って広々とした航空公園。ある入居者さんは歓声を上げつつ、芝生に大の字にゴロリ。「本当に気持ち良いわー!このまま寝ちゃおうかしら!」と。初夏を思わせるような陽光の中、皆さん新緑の景色を思う存分楽しまれたようです。
私も芝生に大の字とまではいいませんが、このところ、非常に眠くてしかたがありません。春眠暁を覚えずとはよく言ったものです。本を読めばウトウト、電車に座ればウトウト。そんなときにはしばしば、入居者の皆さんの夢を見ます。
先日はこんな夢を見ました。とある言葉を発するのが難しい入居者さんの横に座っていると、突然、その方がこちらに振向き「それでね・・・」と話し始めるのです。驚いて私が細い眼を丸くすると、『あ、話せない振りをしてるんだっけ!』とでもいうように、シマッタ!という顔をなさって慌てて口をつぐまれました。その途端、あまりの驚きに眼が覚めて、夢が終わってしまいました。
私はその入居者さんは表情や目線、首の向きや息の吐き出し方まで、とても表現豊かだなあと感じていて、いつも季節の話や、夜勤には(恐らくは興味のない上に迷惑であろう)愚痴じみたことまでグダグダと話しています。その関係が夢に表れたのでしょうか?
今でも「それでね・・・」の続きが聞きたくて仕方ありません。
桜も夢もはかないものの例え、人間五十年も夢幻の如くなりといいますが、「それでね・・・」の続きが、「桜きれいだったわ。きみさんちの暮らしは楽しいわね」だったら良いなぁと夢見ています。

00:48 | Posted by admin

【有言実行】 のんびり家2F 鈴木

2013年05月10日 | のんびり家::のんびり家 2F

お久しぶりです。どっこいしょ登場3回目の鈴木です。
皆様に昨年初めてのどっこいしょにて「一年で10キロ痩せる」と宣言させていただきました。これはなぜかと言うと「もてたい」ではなく(それもあるが…)とある朝入居者Mさんの起床時のこと、Mさんは開口一番に私に「おはようでなく」「あらー○○ちゃん太ったわね」とご自身の息子さんと私を重ね太った事にいつも驚かれるのです。
その事を境に私は「このままではいけない」と思いダイエットを決意しました。食生活では「食べないで痩せる」という事は私にとってストレスがたまり無理なので、毎日でも食べていた大好きなつけ麺を週一回にしたり、ご飯などの炭水化物より野菜類を多くしたり、間食をとにかくしないようにしました。
また週2回のペースでジムに通い、筋トレ、ランニングと、水泳とひたすら汗をかいた結果、約半年で15キロの減量に成功しました。今では、今まで履けなかった「スキニーパンツ」が履けたり、町行く女性の反応も少しは良くなったかなとも思います(笑)。
そして何より、のんびり家内で、今までは居間で椅子を引いてもらわないと通れなかった所が通れるようになり、それを見たTさんが「先生(Tさんがスタッフを呼ぶ際、先生と仰る)前より痩せたんじゃない、痩せましたよね」といわれたり、起床時のMさんにも「太った」と言われなくなりました。今思うと、痩せるきっかけを作ってくれたMさんに感謝の気持ちで一杯です。
そして、次回のどっこいしょまでの公約といたしまして、折角痩せたので以前から挑戦してみたかったハーフマラソンを完走してみたいと思います。皆様、是非次回鈴木のどっこいしょをお楽しみにしていてください。

07:08 | Posted by admin

【早いもので】 のんびり家3F 竹田

2013年05月10日 | のんびり家::のんびり家 3F

入社して9ケ月目を迎えようとしています。
秋の2・3階合同旅行会や入居者様の担当も決まり誕生会企画や、病院同行など施設外に出ての支援も経験してきました。
一人での夜勤業務も想像以上に緊張を強いられる過酷な? 業務でした。
認知症という病気を知り、ご利用者様のいまある能力を維持しながらの支援方法を考えられるようになること、支援行動(行為)には理由があり全て説明できるようになること、などなど求められる支援は単に「介助」という体力勝負の二文字以上に頭脳を使う業務だという認識を自分の理解としてわかるまで半年もかかったのではないかと思います。
わたしは、前職でも20年間にわたり文京区内で働いてきたこともあり、のんびり家の外に出ると案外知り合いに会う機会があります。
例えば、生協に買い物に出た時、のんびり家の前の道路掃除をしている時、地下鉄に乗り換える駅で、等々いろんな場面で地域の知り合いにお会いします。そしてグループホームで働いていることを伝えると、「あなたに合っている仕事ですね」と声をかけて励ましてくれます。有難いことです。
そして、一緒にいるご利用者様にも「お買い物大変ね」とか「掃除ご苦労さま」とその時々に声をかけて下さるのです。これには、感謝の気持ちでいっぱいになります。
のんびり家での生活は、地域の一員として地域活動にも積極的に参加していくことを目指しています。
グループホームという施設が特別な処ではなくご利用者様もわたしたちスタッフも社会の一員としてともに生活する場として、もっともっと深く認識して頂ける存在でありたいなあと思います。

06:09 | Posted by admin

【てんやわんや】 お寺のよこ 佐藤

2013年05月05日 | お寺のよこ

私事ですが、6月あたりに引っ越そうかと思っています。
これまでの人生で引越しは何度も経験しているのですが、毎度のことながら大変ですね。
まだ現住居の解約手続きぐらいしか済んでいないのですが、これから引越し業者の見積もりやら何やら忙しくなりそうです。
やることが沢山ありすぎて追われがちな今日この頃・・・。
でも、今度住む予定の住宅は生まれ育った町に近くて土地勘も愛着もあるので、内心すごく楽しみにしています。
やっぱり馴染みのある町で暮らすのは嬉しいものですね。
お寺のよこの入居者の方々も、故郷のように安心して穏やかに暮らせるといいのですが、果たしてどうなのでしょう。自分の生活の拠点として心安らぐ場所になっているのか、それを私たち職員が支えられているのだろうか、そんなことを自問自答する日々です。
お寺のよこが入居者の方々にとって憩いの場所になりますように。
そして私たち職員も充実した時間を過ごせるように、心と身体の余裕を持てるようになりたいものです。

10:56 | Posted by admin

【嘘のような本当の話】 堀内

2013年04月23日 | きみさんち

半年に一回書く、どっこいしょ。
6ヶ月の間には色々ありました。
ひどい肺炎にかかったけど奇跡的な回復をみせたYさん。
髪を短く切ると起きている時間が長くなり活気が出てきたEさん。
お亡くなりになられたENさん。
なぜか黒髪が増えてきた90歳半ばのOさん。
身体が思うように動かせなくなっているけれど、どら焼つぶあんのところ私が食べちゃうよーと声をかけると、さっとどら焼を手に取り笑顔をみせるTさん。
スタッフですら重たいと思う鉢植えを、ササっと持ち上げて片付け上手なKさん。
と色々ある中、きみさんちでの一コマをご紹介します。
入居者さん6人全員居間にいたときのこと。その日は皆さんお元気で寝てる方もいなかったのですが、ふとアロマを焚こうと思いつきリラックス効果があると言われてるアロマを焚いてみました。
その5~10分後、眠いなぁなんて私が思い始めた頃、入居者さん4人眠りにおちているんです。
何とも気持ち良さそうに(笑)
アロマの効果なのか偶然なのかは分かりませんが6人中4人は凄い確率ですよね。
以来、わたしも家でアロマを焚いてます。
頭痛薬を飲むと、より一層ひどくなっていた頭痛が全くなくなりました。
アロマの効果?恐るべし。

00:48 | Posted by admin

【気付いた事】 のんびり家2F 新山

2013年04月10日 | のんびり家::のんびり家 2F

最近、入居者が私の顔を見て笑顔で話してくれることが増えてきました。
私が、入社した頃は入居者への挨拶がやっとで何を話して良いのかよく分からず一言二言声掛けをして話がすぐに終わってしまった事を今で鮮明に覚えています。
それから1年半以上が経った今では、自然と入居者と会話が出来るようになりました。
その反面、慣れというか心を開きすぎて、時々タメ口で話したりしてしまうことがあります。人生の大先輩に向かってタメ口で話してもニコニコ笑って話してくれる入居者方。すごく心が広いなぁと、私だったら年下の方にタメ口で話されたら怒っているかも等と自問自答しました。今まで色々な経験をして乗り越えてきた入居者の「心の大きさ、広さ」にただただ感動。
私も入居者のように「心を大きく」したい。もっと入居者の心をしっかり受け止められる大きな心にしたい。この、のんびり家で私の「心の小さい」事に気付かせてくれた入居者に感謝です。これからも入居者に色々な事を教えて頂こうと思います。

08:07 | Posted by admin

【支援の工夫】 のんびり家3F 君塚

2013年04月10日 | のんびり家::のんびり家 3F

3月に入りようやく厳しくてしつこかった寒さも和らぎ始め、徐々に春らしい暖かさを感じられるようになりました。
のんびり家3階では幸い今年の冬にインフルエンザやノロウイルス等に感染した入居者さんやスタッフは1人もおらず、軽い風邪をひかれた方がスタッフを含め数名出た程度で済むことができました。ただ、寒さが和らいでも季節の変わり目には何かと体調を崩し易いので、引き続き入居者さんの体調や自分自身の体調管理には油断することなく十分気を付けたいと思います。
さて、今回は私が担当させて頂いているSさんについて書きたいと思います。Sさんは笑顔がとても素敵な女性で、居間で面白い話をしていると大声で笑ったり積極的に話をされたりするとても明るい方です。また近所を散歩していると、すれ違う人に笑顔でお辞儀をされる社交的な性格の持ち主でもあります。ただ認知症の症状も進行していて自分でうまく意思表示ができず、排泄や更衣そして入浴などはかなりの部分でスタッフの介助が必要な状態です。歩行も多少のふらつきがあり、体力的な面からも長い時間歩き続けることは困難です。
私達の仕事はSさんのような認知症の状態にある入居者の方を支援することですが、単なるお世話係ではありません。入居者さん一人ひとりの状態や能力に合わせて自立できていないところを部分的にサポートします。例えばSさんの場合だと箸やスプーン等を使い食事を召し上がることはできますが、食事を作ったり運んだりすることはできません。そのため私達スタッフは食事作りをしてテーブルに並べ箸等を出して、Sさんに「これから食事ですよ」ということを気付いてもらうための環境作りを行ないます。一般的な発想だと食事を作りテーブルに出して「はい食べて」と箸を渡せばそれで仕事をしたことになると思われるかもしれませんが、私達の仕事の世界では違います。いくら食事の準備を完璧に行なったとしても、Sさんが食事に気付き自分で召し上がろうとされなければ、私達の支援の仕事の成果としては失敗となります。この場合だと、Sさんに食事であることを認識してもらうための「工夫」こそが、私達の本当の仕事であり腕の見せ所となります。
私は学生時代にジムに通いウェイトトレーニングを4年間やってきました。そこでは少しでも多くの負荷をかけてトレーニングを行い、筋肉を増やす工夫がされていました。その工夫とは例えばバーベルを何回か持ち上げているとそのうち疲れて完全には持ち上がらない状態となりますが、そこで横に待機していたトレーナーが軽く押してバーベルが少し持ち上がるくらいのサポートをします。この作業により筋肉には限界に近い負荷をかけ続けることができ、1人だけのトレーニングでは決して得られない成果を出すことができるのです。私達の支援の仕事にも同じことが言えて、入居者さんの能力の限界を見極め、必要最低限のサポートしか行なわないことにより最大の負荷をかけてあげるのです。このようなやり方で認知症の進行を最低限に抑え、入居者さんには自分らしい自立した生活を送って頂けるのではないかと思います。

07:08 | Posted by admin

【見えるって】   お寺のよこ 後藤

2013年04月05日 | お寺のよこ

早いものでお寺のよこで働き始めて9ヶ月がたちました。最初は続けられるのか・・・と悩んだ日もありましたが、先輩職員や入居者さんに支えられ9ヶ月。もうすぐ1年です。
2月下旬、コンタクトレンズにしました。裸眼だと家のテレビもぼんやりして見えにくく、生活がしにくくなってきたので思い切って眼科へ。コンタクトを入れるのは怖かったですが、初めてのコンタクトに感動しました。遠くを走っている車の色も、草が風で揺れているのもはっきり見えました。今までの電車通勤はぼんやりとした景色でしたが、最近では遠くを見ることが楽しみになっています。
仕事でも、遠くにいる入居者さんの動きがはっきりわかるようになり、仕事がし易いです。視野がとても広がりました。今まではぼんやりとした視界で入居者さんを支援していたかと思うと「入居者さんの癖や表情など見逃していたものもあるのではないか」ともったいない気持ちになりました。
入居者さんが何をしているのか、どんなものに反応するのかなど、これからはしっかりと見て行きたいと思います。

10:56 | Posted by admin

【慣れ】 のんびり家2F 新山

2013年03月10日 | のんびり家::のんびり家 2F

最近、入居者が私の顔を見て笑顔で話してくれることが増えてきました。
私が、入社した頃は挨拶がやっとで何を話していいのかよく分からず一言二言がやっとだった事を今でも覚えています。1年半以上が経った今では、自然と入居者と会話が出来るようになりました。反面、慣れというか心を開きすぎて、時々タメ口で話したりしてしまうことがあるんです。皆様は、こんな時ありますか?
人生の大先輩にため口で話してもニコニコ笑って話してくれる入居者方。
今まで苦労し色々な事を乗り越えてきた入居者の心の大きさにただただ驚くばかりです。
私は、気長な性格ではありません。入居者のように心を大きくしたい。もっと入居者の心をしっかり受け止められるようになりたい。
自分の心の小さな事に気付いてしまった年。この一年かけてどれだけ成長するのか試してみます。気付かせてくれた入居者方に感謝。

08:06 | Posted by admin

【実習生】 のんびり家3F 永辻

2013年03月10日 | のんびり家::のんびり家 3F

今月の前半の2週間、専門学校の生徒が実習に来ました。実習生を見ていると入居者さんとのコミュニケーションに少し悩んでいるように見えました。「いつ話しかけよう?」・「何て話しかけよう?」・「会話の内容は?」などと考えているようでした。その光景を見ていて、私も最初の頃は同じようなことを考えていたなと思いました。毎日入居者さんとのコミュニケーションを図っていく中でいろいろと自分の中で試行錯誤をしていたことを思い出しました。その中で私が大切にしようと考えたのは「間・タイミング」でした。話しの間・話しかけるタイミングなどです。このことは今も大切にしています。実習生と共に過ごしていると、私の方が改めて気付かされたり思い出させたりさせてもらう場面がありました。短い間でしたけど実習お疲れ様でした。

07:07 | Posted by admin

【春です。】 お寺のよこ 冨所

2013年03月05日 | お寺のよこ

東日本大震災から、間もなく(この文章を書いている時点では)二年が経過しようとしています。首都圏では、震災の影は本当に薄くなり、かつては様々な店舗に設置されていた募金箱も、震災に関連したものは少なくなりました。未だに被災地では、多くの方が辛い生活を余儀なくされていると思います。生活や気持ちが、少しずつ上向きになりますよう、御祈り致します。

最近街中で周囲を見てみると、ハガキより一回り小さい位の大きさの、平坦な機械を指先で操作している人が、そこかしこにいると思います。今大流行の「スマートフォン」。まぁ大雑把な私の大雑把な解釈で大雑把に説明すると、「パソコンの機能を持った携帯電話」といったところでしょうか。私も1年ほど前に、永年使用してきた為故障してきた携帯を買い換えたのですが、私が選んだのは、前述のスマートフォンではなく、プッシュボタンのついた、いわゆるフツーの携帯電話。スマートフォンを選ばなかったのは、「値段が高い」とか「楽しさがいまいち良く判らない」というのもあるのですが、一番大きな理由は、「携帯電話のプッシュボタン操作が手に馴染んでいる」からだと思います。私にとって携帯電話は、通信手段よりも、予定表とか手帳の役割が大きくて、仕事とか私用の予定を、携帯のメール機能を利用して書きこんでいる(プッシュボタンを操作して文字を打ち込んでいる) のですが、この操作や感触が手に馴染んで手離しがたいのです。番号さえ覚えていれば、画面を見なくても電話をかけられますし、平仮名だけの文章であれば、画面を見なくても書けます。これらの芸当は、「視覚」、「操作方法」で大きく進歩した代わりに、ボタンの凹凸、配置、感触と言った「触覚」を手放したスマートフォンには、少し難易度が高いのではないかと思います。(まぁスマートフォンはそんな事しなくても、声で電話かけたり文章打ったりできそうですが…)

二年位前から、入居者さんとの関わりの中に、「五感に訴えていく」という事を意識するようになりました。お寺のよこでは、入居者さんが手分けして、片付けものや食事作りを行っていきます。しかし中には、包丁で何かを切ったり、炒めたり、洗濯物を畳んだりといった事を、実際に行うのが難しい方もいらっしゃいます。そのような方にも、雰囲気を分かち合って頂きたくて、関連した物を手に取って頂いたり、匂いを嗅いで頂く事を、意識しています。いよかんの重さと表皮の冷たさ、胡麻油の香ばしさ、洗い立てのタオルの肌触りと匂い、絹豆腐のひんやりした儚い手触り、納豆の臭さ、切り立ての葱類の目にしみる感じなど…楽しいことも嫌なこともいっしょくたにして、入居者さんと分かち合っています。2013年も色んな事を皆さんと分かち合って行きたいと思う、お寺のよこの春です。

追伸 前回の記事で書いた赤べこを模した獅子頭、作成して新春の獅子舞で、福島出身のMさんに披露する事ができました。次は何を作ろうかなぁ…

10:55 | Posted by admin

【ありがとうございました。】 堀

2013年02月23日 | きみさんち

きみさんちで2年と1ヶ月経ちました。夢中であっという間でした。なにか変われたか、なにか違う視点を持てたかなと思います。
入社した時は、右も左もどころか本当に何も分からなくて何も出来ませんでした。
手引き歩行も、体位交換も、トイレ支援も、入浴支援も、自立支援も。何もかも ここでゼロから教えて貰いました。今も遅いけど、教わった時なんて、どれだけ時間がかかっていたかと思うと、メンバーにも入居者の皆さんにも申し訳ないです。
最近、通信でリハビリテーションなどの科目を受講しました。ADLとかQOLとか出てきました。今までは、文字とその意味は雰囲気で分かると言ったくらいでしたがQOLがクオリティー・オブ・ライフという言葉になると一気にイメージが湧きました。本当に、入居者の皆さんにとって この2つが全てだったのではないかと。そこだけをどれだけ入居者さんの為に考えて差し上げられるかが全てだったのではないかと思いました。
恐らく、来たばかりの頃は同じ科目を受講したとしても分からなかったかも知れません。今だからきっと深く「これだったのだ」と実感したのだと思いました。入社した時が今だったなら、きっともっと考えられた筈。入居者さんのADLとQOLをどう楽しみながら展開できるかと考える筈と悔しくもあります。2年前には、確実に私の中にはなかったのですから。
とても大きな経験を致しました。勉強させて頂きました。失敗もしました。怖さも本当にたくさん学びました。入居者さんに本当にたくさんのことを教えて貰いました。そばに居て、一緒に生きられて本当に嬉しかったです。
面接してくださった上司にも、管理者にもチームだと言ってくれたスタッフにも、研修でお世話になった同期の皆さんにも、そして勿論 入居者さんとご家族の皆様にも本当に感謝しています。3月で退職させていただく事になりました。この場を借りて 本当にありがとうございました。

00:47 | Posted by admin

【去年】 石川

2013年02月23日 | きみさんち

改めまして明けましておめでとうございます。きみんち石川です。
平成24年も終わってしまいました。思い起こせば去年は私事ではありますが、大変めまぐるしい1年でした。
嫁が妊娠した事から始まり、めでたいな~とついに父親だな~と物思いに、ふけっていたら、自分の祖母がもう入籍して2年にもなるのだから、これを機に結婚式を早く挙げなさい私も80になるのし、あなたの晴れ姿を見たいのよと結婚式を挙げることになりました。
結婚式の用意が大変で、嫁も妊婦なのに結婚式場に行ったり来たり、招待状や座席表作り、ブーケも手作りしたり、全て手作りで作りますとプランナーさんに言った事を後悔しました。本番1週間前から作るものが終わっていなくて、徹夜でがんばりました。
ついに本番、12月15日に挙式をしました。
バージンロードを歩く練習、当日1回だけで段取りを口頭で伝えられ、覚えれない、無理ですと話すと、神父に「ホンバンハーホローシマスカラ」と言われ直ぐに始まりました。緊張はしていましたが一生に一度だし練習が無し、式場の人に大丈夫ですかと尋ねられ大丈夫の分けないでしょと即答しました。とりあえずゆっくり堂々と歩いてくださいと、ドアが開き始まりました。はい頑張ってと送り出されました、神父のフォローが本当に的確で、どうするのと小声で話すと、もうちょっとゆっくり歩いて、右に立ってオッケーここでストップ的確です。
新婦入場、音楽が流れ、足取りがおかしい何だかカクカクしている。お父さんが緊張していてドレスを踏みながら歩いてきました。僕よりアップアップしている人がここにいました。後から嫁に聞いたのですが、石が乗っているかのように重かったと、顔があがらないのと話していました。その後妊婦なので指輪が浮腫んで無理に僕が押し込むなど、ハプニングは色々ありましたが、その後は神父のホローが見事で滞りなく終わりました。
披露宴も問題なく進み、最後のあいさつで自分が考えていた話を忘れ、アドリブで締めましたすごく短い言葉になってしまい、「来年3月には子供もできます、頑張らないといけません。未熟なので助けてください、短いですがこれで終わりますありがとうございました」とこんな事を言ってそうそうに終わってしまい皆さんに短っと誰もが思ったと思います。失敗しました。。。。。
それでもなんとか無事結婚式は終えることができました。
次は子供の名前を考えないと、眠れない日はまだ続きます。
入居者のENさんにまだ名前決めてないと話すと、「ゆっくり考えればいいからまだ時間あるし一生物だから、でもりっぱな名前をつけないほうがいいよ、名前負けするから」とアドバイスをもらいました。今年も仕事に子育てと大変な1年になりそうです。頑張ります。

00:46 | Posted by admin

【歌の持つ力】 のんびり家2F 飛鳥井

2013年02月10日 | のんびり家::のんびり家 2F

皆さん、こんにちは。どっこいしょ登場5回目の、のんびり家2階飛鳥井です。
のんびり家2階で勤務を始めてから、早いもので3年目になりました。
今回は、少しプライベートを含めた内容になりますが、皆さんに是非お伝えしたいと思い、このお話を書かせて頂くことにしました。
法人の自己紹介文にも書かせて頂きましたが、私は趣味で歌を習っています。ジャンルは「ゴスペル」です。主に英語の歌詞で歌う事が多いのですが、中には日本語の歌詞や、英語を日本語に訳したものもあります。昨年の暮れに、私の地元足立区の老人保健施設で歌わせて頂く機会があり、私も休みを貰い、参加する事が出来ました。入居者の皆さんの前で歌を披露したのですが、一番前の列にとても乗りの良い方がいらして、手拍子をしたり、声を出したり、身体を揺らしてリズムを取ったりと、歌っている私たちも嬉しくなるような感じでした。その方が、「きずな」という日本語の歌を歌っている時に、顔を手で覆ったまま、じっと動かなくなりました。その方の様子や、歌の歌詞の内容から、恐らく泣いているであろう事が分かりました。この歌は「ありがとう、生まれてきたこと。ありがとう、きずなに感謝」という歌詞がとても印象的で、私も歌っていながらいつも涙が出そうになってしまうことが多いのです。この方がこの「きずな」という歌を聞かれたのは、この時が初めてではないかと思うのですが、歌詞の内容を理解して下さり、そして涙を流されたのだとすれば、とても感受性の強い、ピュアな心を持った方なのだと思いました。後日、施設長さんからお礼のメールを頂きましたが、その中で、「認知症で、日頃は椅子に長時間座っていることの難しい方が、一度も席を立つことなく観賞している姿を見て、歌の力に感動しました」というお褒めのお言葉を頂きました。私たちは素人ですし、決して上手な訳ではありませんが、歌の持つ力を改めて認識した出来事でした。歌っている私たち自身も「楽しい」という気持ちが強いですし、聞いて下さる方達の笑顔が私たちの喜びであり、励みにもなります。これからも、自分自身が楽しみながら、また、聞いて下さる方達が笑顔になれるように、歌を続けて行きたいと思っています。そして、いつか、入居者の方達の前で歌を披露することが私のささやかな夢です。

07:54 | Posted by admin