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【年の初めに】  お寺のよこ 光岡

2020年02月24日 | お寺のよこ

新年明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。
今年の元日は夜勤明けで、新年の幕開けをお寺のよこで過ごすこととなりました。
午前0時を過ぎると近くのお寺から除夜の鐘の音が聞こえて来て、夜勤業務を行いながら、入居者さんや自分達スタッフにとって素敵な1年になれば良いなと感慨を新たにしておりました。
例年お寺のよこでは大晦日に入居者さんとスタッフがおせち料理を作って正月に備えています。普段の生活では皆さん起床される時間がバラバラなので、朝食を食べる時間も異なるのですが、元日は1年の始まりということもあり、皆さんが居間に揃ってから新年の挨拶を行い(僭越ながら私から挨拶をさせて頂きました)、皆さんでおせち料理を食べました(お身体の状態から居間に出て来られない方が1名いらっしゃったことは残念でした)。
思い返してみれば昨年末からクリスマス、大掃除、正月準備、餅つき、おせち料理の準備、年越し蕎麦等、入居者さんとスタッフが共同で師走から年明けに向けての準備やイベントを行って来ました。それらを通して旧年が過ぎ新年を迎えるという、入居者の皆さんにとってこれまでの生活の中で大切にされてきたことが、今年もまた当たり前のように(自分事のように)実感され、行われたのであればこれに勝る喜びはありません。
私は今年でお寺のよこに入職して15年となります。入居者の皆さんと一緒におせち料理を食べながら、ようやく自分も末席ながらお寺のよこの一員として認められたような気持ちとなりました。入居者の皆さんにとって清々しい正月になれば良いなと願い帰途につきました。
冒頭にも書きましたが、今年が皆さんにとって良き1年となりますように。私も皆さんとともに歩みながら素敵だなと思える瞬間と沢山出会えるような1年にしたいと思っています。

09:10 | Posted by kimisanchi

【編集後記】  林田

2020年01月10日 | 編集後記

今年もあと少しで終わろうとしています。
今年も良いことも、良くないこともたくさんありました。ですが、素敵な一年であったことは、間違いないところです。
先日、道路を走っていましたら、交差点で人が倒れていました。私は左折するところだったので、左折をして直ぐ車を停めて駆け寄ろうとしました。後ろのタクシーがクラクションを鳴らしていましたが。
私は、80歳以上の男性だと思っていたのですが、その方はすでに立ち上がって歩きだそうとしているところでした。そして、はにかむような表情で「転んじゃったよ」と話しかけられました。
年齢は70代中盤。お元気な方でした。一言二言言葉を交わして、その場を後にしました。そのはにかむ笑顔が素敵な方でした。
私は、日ごろ絆やつながりを言っている人たちに対して、多少違和感を感じます。絆やつながりは、口にしないぐらいのほうがそれらを感じているような気がするのです。
先日、とあるアウトレットモールに行ってきました。そこは、リニューアルしたばかりのところで、ケンタッキーの食べ放題があるところです。
友達と4人で一緒に行き、楽しくケンタッキーでたくさん食べました。ですが、その建物が複雑でトイレが少なく、ごみ箱が全く無い場所でした。これじゃあ、お客さんが来なくなるなあ。と言う思いと、これからの建物はこのような形が中心になるのかなあ。と言う思いが入り乱れました。
都内にあるその場所で、次の未来がこのような形になっていくのかと思うと、少し複雑な気分になりました。
ですが、楽しい場所が増えるのは、楽しいことです。
つい先日、もう一度その場所に行っちゃいました。
私たちは、一年の間にさまざまなことを体験します。文頭にも書きましたが、良いことも良くないこともそうです。これら一つ一つの出来事を、昇華させていくことが大切なのだと思います。
良いことも良くないことも、自分の恨みや妬みに関連付けず明日の誰かのためになるような捉え方をできたらいいなと思います。
それが、この一年を過ごした感想です。
よいお年をお迎えください。2019/12/31

17:54 | Posted by kimisanchi

【様々な問題について】  のんびり家2F 石井

2020年01月10日 | のんびり家::のんびり家 2F

のんびり家に復帰させていただき早くも半年が経とうとしています。様々な事情が絡み一旦は退職をしてしまいましたが、幸運にも再度のんびり家で働いています。一旦は退職し他の法人の有料老人ホームで数か月ですが働きました。そこで、感じたことを書きたいと思います。
私が勤務したのは大手の有料老人ホームでしたがサービス形態が異なる為安易に比較してはいけないと思います。しかし、多くの矛盾や問題点が垣間見えました。まず、有料老人ホームでは高額な入居金を払い高齢者は利用されています。しかし、利用者はほぼ自立されている方から認知症の方まで幅広く利用されています。そこで、食事の時間や内容がほぼ決まっており、レクリエーションも時間で決まっています。職員は1日入浴対応など細かく仕事が分業されています。1日の生活がかなり合理化され、システムありきの生活になります。その生活というのも利用者が生活をしているというものではなく職員が「生活をさせている。」というニュアンスがより正確でしょうか。
サービス形態がそもそも異なる点、職員の人員配置に限界があるのは十分に理解できます。しかし、職員は常勤の職員、非常勤の職員など多岐に渡りましたが話をすると様々な問題を抱えていると感じました。「しょうがないよね。」「そんなことやっていてもね・・・。」「もう少しで定年だから荒波立てずに、このままで・・・。」といった具合に何かを諦めている発言が多く聞かれました。認知症状態にある方への理解も乏しく、そもそも時間的な余裕もないため表面上取り繕い、職員は走り回りながら勤務時間が終える前までに「仕事」を終えなければいけません。私自身はこの福祉の業界に勤め研修なども含めて多くの現場を見ているわけではありませんが、様々なミスマッチが生じているのだと痛感しました。やる気のある職員も1部には存在をしていることはあるものの様々な職員の立場がありチームには中々ならないこと、そして何よりも利用者の適正なサービスが受けられていないことなどです。私自身も何度も利用者の諦める姿や言葉を聞きました。

現在でも様々な介護現場では人員不足により常勤職員だけではとても運営出来ないのが現状です。
介護報酬などの財源の問題も重くのしかかってくるでしょう。今後、団塊の世代が後期高齢者になる頃にはより多くの問題が生じてくる可能性があります。先日、ふと携帯を無意識にいじっていると本など出版されている女性のコラムに目が留まりました。(内容はなんとなく覚えていますが、残念ながら名前までははっきり覚えていません。)その女性は保育や介護という広い範囲での福祉としての話をされていました。内容としては「人は人の中で産まれ育ち人は人の中で最期を迎えるべきもの」というものでした。保育現場にはあまり合理性を求めていない(若干の語弊もありますが)にも関わらずに介護では合理性が強く求められすぎているというものでした。このコラムを読んだ時に確かに介護の現場では様々な機械の導入が検討されているなと世間の保育と介護のイメージも関係しているのではないかと思いました。確かに労働力人口の減少により介護だけでなく様々な分野で弊害が出てくるのでしょうが。人は産まれてから平等に年を重ねていきます。私自身もこの仕事に携わっていなければ深く物事を考えなかったかもしれませんが、「人が成長し生活し、やがて最期を迎える」ということを学び、考えるという機会が義務教育でなくてもどこかであると他人事ではなく皆が当事者として様々な問題に対して取り組んでいけるのかなと強く思った数か月でした。そして、今は他の職員と対話を重ねながら「入居者の自立した生活」について丁寧に時間をかけながら、何度も立ち止まり考えていきたいと思っています。

17:53 | Posted by kimisanchi

【物を慈しむ心】  きみさんち 田中

2020年01月10日 | きみさんち

2年ほど前きみさんちをご退去されたOさん。
生前の彼女は花や人、動物などあらゆる物に対し、「可愛いね、綺麗だね」と賞賛をする方でした。
風で折れた枝や秋に公園でひろったどんぐりなどそっとポケットに忍ばせ、かわいそうだから植えてやったと、自室の横にある小さなお庭にせっせと土を掘り起こし植え込んでいる姿が今でも目に浮かびます。
神社の縁日ですくった金魚もえさをやりつつ、可愛いねと賞賛し、亡くなるとかわいそうだとお庭に埋め、墓作ってやったよと手を合わせる。
どんな物事にも慈しみ自愛に満ちた言葉が返ってきていました。
そんなOさんがあるとき何処からともなく拾ってきた椿の枝。
これもかわいそうだとお庭に埋めると見事に根がつきました。
それでも植えてから約4年の月日が流れOさんとお別れをした後に入る利用者のためにお庭を整理した時に捨てるかどうか迷いましたが、せっかく根がついたものを捨てるのはどうかとOさんの意思に沿わないのでは・・・と思い残すことに決めました。
ファイル 480-1.jpeg2019年12月花芽のついた枝にやっと見事なピンク色の花を咲かせ、道行く人の目の保養になっています。
天国で見ているOさんやっぱりそこでも「綺麗だな、見事だな、やっと咲いたのか」とぼやかれているのでしょうね。
本当に自愛に満ちる何事も敬意を表すOさんの精神を私も見習わねばと思う今日この頃です。

17:53 | Posted by kimisanchi

【池袋サンシャイン水族館です~誕生日企画です~】  のんびり家3F 伊藤

2020年01月10日 | のんびり家::のんびり家 3F

みなさんお久しぶりです。のんびり家3階の伊藤です。寒い季節が到来です。
自分は寒いのが苦手で風邪はひかないのですがとにかく苦手です。この記事を作成しているのが12月の末で、この時期に必ず入居者さんとの話題になるのが「一年経つのが早いね~。この間まで夏だったのにあっという間に正月だね~。」です。早いんですよねー、楽しい時間は早く過ぎるとも言うし、早く歳をとってしまうって言うのもありますけど、何はともあれみなさん無事、健康で年を越せるのだからよかです。寒い季節ですが、地域のみなさんも体調に気を付けて、感染症にも充分に注意して良い年越しをお迎え下さいね。
さて話は変わりまして、自分が担当しているEさんと誕生日企画として、池袋サンシャイン水族館に決定し、行って来ました~。まずタクシーで池袋に向かい、昼食を食べてから水族館にレッツラ、ゴーです。ちなみにご飯は、本人の希望で天丼です。エビ旨っ。笑顔いただきっす。
さあ、目的の水族館です。見渡す限りの魚です、本人「うまそうだなー」と感想あり、すかさず「食べちゃーだめだよ」とツッコミいれさせて頂きました。Eさんはエイが気になっていました。なかなか愛嬌のある顔です。その後に、アシカやペンギン、カワウソのショーをみました。特にアシカショーがお気に入りです、アシカが芸を披露すると同じ動きをしてご満悦。拍手喝采です。
ファイル 478-1.jpeg ファイル 478-2.jpeg ファイル 478-3.jpeg
そんなE さんですが、その日一番喜んでいたのが魚でなく、アシカ、ペンギン、カワウソでもなく、館内にたくさんいた子供達です。子供がいると頭を撫でて御満悦です。その笑顔が見られたら自分も達成感バリバリっす。お年寄りは子供好きな方が多いですが、自分もEさんと同じ歳になったときに子供をみたら可愛い過ぎて泣いてしまうかもしれないな~と納得しました。そんな人間味があるEさんが大好きです。
これからも元気に楽しく生活してくださいね。これからもよろしくお願いします。

17:50 | Posted by kimisanchi

【人の気持ちや心・生き方】  お寺のよこ 伊藤

2020年01月10日 | お寺のよこ

今回は少し自分のことを書いてみようかと思います。
今、季節は秋で街には銀杏並木が並びハラハラと黄色い落ち葉が舞っています。以前はそんな景色を綺麗だと思いながら歩いていました。
桜並木や桜吹雪、新緑、雪景色。四季を愛おしく想い、楽しめていたはずなのに。今の私はどれも物悲しい気持ちになってしまうのです。

「人は日々、何のために生きているのか」そんな疑問を抱いています。
「お寺のよこ」は仕事場といってもオフィスではないのでデスクワークや営業職とは違い、仕事という認識はもちろんありながらも、ご入居者皆さんと日々を共にし暮らし、ほんのちょっと支援をさせていただいているという感じでいます。
入居者さんとの会話や生活は大変ながらも毎日楽しく、いろんな発見や勉強になることがあり自分を向上させてくださっていると思います。人生の先輩たちの話は今のこんな私の助けになっています。また、「お寺のよこ」はスタッフにも恵まれ本当に皆さんが私のことを心から気遣ってくださいます。だからこそ働かせて頂けていると感謝するばかりです。
こんなに恵まれた環境の中で働けているのに、どうして私はいつも悲しい気持ちになってしまっているのか。自分でもわからないのです。
入居者の皆さんは私よりも大先輩でいろんな経験や思いをされてきていると思います。今の私の状況を話して相談してみたくなってしまうことがあります。

話は変わって、今年の秋も毎年恒例の一泊旅行に熱海温泉まで出かけることが出来ました。大浴場にカラオケ、和洋折衷のコース料理と海が見えること。皆さんに喜んでいただけていればと思っています。
誕生日企画でもそれぞれの入居者さんご希望の場所に出かけることが出来ています。私の担当のご入居者さんはご希望をお尋ねすると久しぶりに浅草へ行ってみたいということだったため、浅草にお出かけになられました。(私の体調不良で他のスタッフに同行をお願いすることになってしまいましたが。)仲見世通りは割りと空いていてゆっくりと散策が出来、浅草寺をお参りしてお線香の煙をいっぱい身体にかけ、昼食にはお寿司を召し上がって、人力車にも乗って楽しんでいらしたそうです。帰宅時には笑顔いっぱいで「楽しかったよ~」と言われ、私も本当に嬉しかったです。

この後、年末にはこれも毎年恒例の餅つき大会やお節作りが待っています。みんなで大掃除もしなくては。年が明けたら初詣にも毎年行っています。ご入居者の皆さん、スタッフの皆さんが元気に年が越せますように。
さあ、私はどんな気持ちで新年を迎えられますでしょうか。きっとこの皆さんと一緒なら、元の前向きで元気な私に戻れると信じて頑張ります。

17:47 | Posted by kimisanchi

【めぐり会えた奇跡】  お寺のよこ 倉澤

2019年12月18日 | お寺のよこ

喜びや楽しみは、人と分かち合った分だけ大きくなっていくと信じています。
笑顔がいいわね。自分にくっついているものだから。離れないからね。
自分を喜ばせることが大切ね。自分を励ますことも忘れずに。一緒にがんばりましょう。と、いつも私を元気づけてくださる女性のIさんは、来年の2月8日で90歳を迎えられます。独身時代に勤務先のボート部に所属し厳しい練習を重ねられた経験の持ち主です。お寺のよこでIさんと出会いたくさんのことを学び生きる力を与えていただきました。来年の東京オリンピックで運動が大好きなIさんと一緒に競技を観戦できることを今から楽しみにワクワクしております。

08:09 | Posted by kimisanchi

【編集後記】  林田

2019年12月18日 | 編集後記

スターウォーズの最終回が行われます。もう行われているかもしれません。
大宇宙を駆け巡り、ハン・ソロ船長が宇宙船を操り、宇宙を駆け回る話です。(今公開されていたものには、ハン・ソロ船長は出ていないと思います)紹介は不要ですね。
そのスターウォーズが、私の中では盛り上がりません。
実際は、全米興行〇位!!などとCMが流れているかもしれませんが、私たちが子供のころに観た夢のような宇宙の話が、どこかにある映画の1シーンになってしまったような気がしてなりません。
いろいろ考えてみたのですが、いくつか思いつくことがありました。ひとつは、宇宙の冒険活劇が増えて特別な感じがしないこと。これは、ほかの映画でもっと刺激的な内容やキャラクターが、活躍する話が増えたために起きたものです。次は、話が長すぎて統一感が無いことです。最初に出ていた人はお亡くなりになった方もいらっしゃいます。第一作目は、今から40年以上前ですから。そして、一番大きな理由は、私が年を取ったのかもしれません。空想の世界に行かなくても現実世界で十分刺激がありますし、現実世界のほうが充実感があります。そう考えると、スターウォーズに悪いところは無いのですが。(笑)
スターウォーズも夢ではなくなってきています。世の中の進み方も早くなっているような気がします。
ここは、落ち着いて空を見上げましょう。何かいいことを思いつくかもしれませんよ。

08:09 | Posted by kimisanchi

【こんにちは】  のんびり家2F 池田

2019年12月18日 | のんびり家::のんびり家 2F

この業界に入ってもう3年目になります、最近は新しい入居者さんが入ってきて、こののんびり家も賑やかになってきました。入ってきた人はAさんという入居者さんで口髭がとてもダンディーで、カッコいい人だと思います。
Aさんは食事をよく食べる方で、丼で1杯は食べてしまいます。また、お酒が好きでよく飲むお方です。
買い物の際はお酒を必ず買って、開けたらその日に半分以上を飲んでしまうお方です。
Aさんはパスタがお嫌いらしく、以前お出した時に嫌いと言われてしまいました。ですがパスタ以外の麺類は好物らしく良く食べていました。
杖を突いているのですが、きりきり歩いたり、自分から入浴したいと言って来たりする、とても元気なお方です。見ているだけで笑顔になり元気を頂く事があります。
話は変わりますが、9月17日に日帰り旅行に行って来ました。江戸東京博物館に行って、江戸の頃の事や東京になってからの事などを展示していました。自分の対応はKさんでした。江戸や東京の初めの頃にとてもいろんなことに興味があったのか、駆け足位の感じで次々に見て行くので、付いて行くのがやっとでした。他の入居者さん達も、思い思い楽しんでいましたし、また江戸東京博物館の7階にあるレストランでは、皆様美味しいと言って食事をしていました。

08:08 | Posted by kimisanchi

【早いですね】  のんびり家3F 新宮

2019年12月18日 | のんびり家::のんびり家 3F

今年もあと1ヶ月。1ヶ月しかないと思うか、あると思うか、人それぞれですね。
北区にある、ぶなの実のスタッフルームの一部整理と片付けをお手伝いしました。
要不要に分ける作業はもとより、他人の所有物を自分の基準で判断し、なんとかすることはやってはいけないことです。
ですが、部屋を久しぶりに見たら、何とかした方が良い、なんとかしたいと感じました。何のためにかというと、目に見える物から整えていくと、時間、お金、思考など整理しやすくなるからです。ここまで終わらせよう。と目標をたてたのはよかったのですが、目的を見失ってしまい迷子になることもあり、何のためか意識を繰り返し。最後にスッキリしました。と感想を頂きうれしいかぎりです。
スッキリ、の感じ方も人それぞれですね。

08:08 | Posted by kimisanchi

【背中の表情】  きみさんち 志寒

2019年12月18日 | きみさんち

夏も過ぎ、疲れからか、このところKさんはスランプになっています。
お得意の料理をしようとしても、記憶が続かず、スムーズに行程が進みません。
食材を選び、洗い、切り、火にかけ、調味する。その流れがひとつひとつ止まってしまい、作業が次につながらない。Kさん自身もそんな状況がいたたまれないのか、やるせない表情でその場を離れることが多くなってきました。

そんなときのKさんの気分転換が外出。特に外のベンチに座り、風の薫りや心地よい木漏れ日を味わい、ご近所の方との語らううちに、心のもやもやが晴れるのか、表情もすっきりと「どっこい、どっこい」などと呟きながら、何か自分に出来ることはないかと、台所に戻られます。

そんなベンチで過ごしているひととき、「あれはひどいねえ」とKさんが指差しました。
ファイル 472-1.jpeg ファイル 472-2.jpeg少し離れたゴミ集積所に、収集日でもない日に出されたゴミがあり、それにカラスが集まり、ゴミが道の真ん中にまで多量に散乱していました。
「やってきましょ」とやおら立ち上がると、Kさんは竹箒を手にゴミ集積所に向かいます。私もゴミ袋と竹箒を持って後を追います。

かくして10分後、見事にきれいになったゴミ集積所。Kさんは誰にそれを見せ付けるわけでもなく、満足げに竹箒を手に、ベンチに戻っていきます。
安堵しているような、誇らしいような、輝いているその無言の背中。そんな背中をKさんだけではなく、他の入居者さんからも、たくさん見てきたような気がします。そして、そんな背中があるうちは、まだまだ、まだまだ、大丈夫。たくさんの背中が教えてくれました。

さて、いま、私がきみさんちで働いているとき。私の背中は、どんな表情をしているのでしょうか。

08:07 | Posted by kimisanchi

【編集後記】  林田

2019年11月30日 | 編集後記

気が付くと、秋が終わり冬になりだしています。
皆様、いかがお過ごしですか?
私は、事業所の空室が埋まらず、入居者さん募集の毎日です。
現在、とちの実が深刻で、3部屋空いています。練馬区にお住まいの方、ご利用をお待ちしています。
あと、のんびり家(文京区)とつげの実(豊島区)も一部屋ずつ空きがありますので、それぞれご連絡をお待ちします。
そろそろ、師走になりますので、何とか空室を埋めたいのですが、耐えるしかありません。
うちの事業所は、食事つくりや外出など、ご入居された方の意思を尊重する対応をしています。入居者さんがお元気で生活していただけると思います。
ご連絡先は、090-8084-6657(林田)までお願いします。

08:42 | Posted by kimisanchi

【私の仕事】  のんびり家2F 荒野

2019年11月30日 | のんびり家::のんびり家 2F

今回お話しさせていただく事は、職員の誰しもが一度は経験したであろう「あるある話」です。
ある日の夕飯時、準備が整い入居者さんに「ご飯炊けたようです。」とだけ声を掛けました。この声掛けには、
1、ご飯を今食べるかどうか。2、食べるならば配膳という行動に考えが至るか。3、出来上がった料理を認識し、盛り付けに必要な器の選択と用意が出来るか。Etc…
入居者さんに残された能力を見極め、力を発揮してもらう意図があります。
それはさておき、ある入居者さんがご飯を食べるという意思をもって台所に来たものの、料理をよそう適当な器の選択にとまどい「私わかんないんだから、あんた達がちゃんとやってくれないとダメだよ!」と仰いました。この入居者さんには料理を認識し、それに対する器を選ぶ能力がある事を知っていた私は、「自分の分は自分で用意してください。」とハッキリ言いました。仮にみそ汁椀にご飯を盛ってもいいのです。大事なのは正しい器に盛りつけるという結果ではなく、自分で考えて配膳するという過程です。
結局、「そんなの聞いたことないよ。」と文句言いながらも、お皿にご飯を盛り付けご自分で配膳が出来たのですが、ここからが本題。
私は全介助の方の食事介助を行っていたのですが、それを見た先程の入居者さんがこう仰いました。
「その人はやってもらってるのに、あたしたちはやってもらえないの?そんなのおかしいよ。」
いつかは言われるだろうと思っていました。おそらくほとんどの職員がこの類の事を言われた経験があると思います。正直、至極当然のご意見だと思います。その人の能力に見合った支援を、というこちらの考えをご理解されているかどうかに関わらず、人間だれしも楽を出来る方がいいに決まっています。
口には出さねど同様の事を思っている方が他にもいらっしゃるはずです。
さて、なんと答えるべきなんでしょうか。私はその日の勤務が終わって家に帰ってからも考えました。そして思いました、なんと答えるかではなくて、そもそも入居者さんにそう言わせてしまった事が問題なのではないのかと。
私たちの仕事は可能な限り自立した生活を送れるようにサポートすることです。具体的には入居者さん自身が自発的にやる気を起こすような環境整備、仕掛け、声掛けをするという事が含まれています。
要するにやりたくない、面倒くさい事をやりたくなるようにするという事です。入居者さんが器選びにとまどったあの時、例えば一緒に配膳をする仲間がいたならどうでしょう。二人で協力しあってもっとスムーズに出来ていれば不満を漏らすこともなかったかもしれません。
入居者さんの1つ1つの生活動作にどう関わっていくのか常に考えていくのが私たちの仕事であると再認識させられた出来事でした。

08:41 | Posted by kimisanchi

【男の子ですよ】  きみさんち 松林

2019年11月30日 | きみさんち

私事ですが、きみさんちに来て10年が経ちました。
何も知らずに飛び込んだこの業界で、年数だけはいつの間にかベテランになってしまいましたので、仕事もベテランの域に達すべく、これからも精進して参ります。
もうひとつ私事を言いますと、10月に父親になりました。
勤続10年目にして父親になるという、記念すべき令和元年となりました。
関係者の皆様には、感謝の言葉しかありません。今後とも宜しくお願い致します。

きみさんちのリビングにて。
「この写真見て下さい、私の子供です。この間生まれたんですよ」
「あらあらあら~、なんて可愛いんでしょう。いつ生まれたの?」
10月3日に生まれたばかりの子供の写真を入居者さんにお見せしたところ、私の手から写真を奪い取って、満面の笑みを浮かべて下さいました。
「男の子?女の子?」「男の子です」「しっかりしたお顔をしてるから、そうかなと思ったけど、寝ながら笑って、女の子みたいに可愛いわね」「ありがとうございます」
「いつ生まれたの?」「10月3日です」「可愛いわね~。男の子?女の子?」「男の子です」
そんなやり取りが聞こえたらしく、傍で悶々と過ごしていた入居者さんが「何?どうしたの?」とこちらを気にされたところ、先の入居者さんが「お子さんが生まれたんですって」と、私から奪い取った写真をその方に手渡しました。「え~!あんたの子供なの?本当に?可愛いね~」と仰って、悶々としていた眉間の皺が無くなり、破顔されていました。

今年3月に、妻が妊娠しているのを知らされた時は、本当に驚きました。
結婚しているわけですから、そうなっても当然なのですが、年齢的なことや妻の身体の事情などがあったために、そうなる事を思ってもいませんでした。
そして次に、毎日の不摂生な生活や高齢であるという事が、無事な出産に繋がらないのではないかという思いがありました。
しかし、命の話。人生の話です。
沢山話をして、色々調べて、悩んで、その結果、運を天に任せる事にしたのです。

日毎に大きくなってくる妻のお腹を労わりながら、どんな子供が生まれるだろうか、立派な親になれるだろうかなど、不安と希望を胸に抱いて出産当日までの毎日を過ごしました。

その結果、元気な男の子が誕生したのです。

20年か30年後の老後を迎えるまで、夫婦二人で慎ましく暮らして行くものだとばかり思っていましたが、子供を養い育てて行くという人生が始まろうとは、想像を絶するばかりです。
経験や知識は勿論ありませんので、不安ばかりが襲ってきますが、恐れていては何も始まらないし、子供は育ちません。そして、親として成長はしませんね。
不安の先には必ず光が見える筈。そう信じてこれからの人生を楽しんで行こうと思っています。
そして、現在、生まれてから一月が経ちましたが、忙しく楽しい、大変で喜ばしい日々を送っています。
人生は、いつ何が起こるか分かりません。だから、面白いのかもしれないですね。

ファイル 469-1.jpegファイル 469-2.jpeg
写真の行方は、先の入居者さんの手に戻り「本当に可愛いね~。食べちゃいたいくらい。」
「そうはさせません(笑)」
「いつ生まれたの?」「10月の3日ですよ」
「男の子?女の子?」

08:41 | Posted by kimisanchi

【脳と身体の不思議な関係】  のんびり家3F 松山

2019年11月30日 | のんびり家::のんびり家 3F

ある日の夜勤明けの朝の出来事です。
Kさんは、左麻痺で左手が石のように全く動きません。
ですので、いつも就寝支援の際には、衣服の袖を通すのに細心の注意を払います。
私は、パートという立場にかまけて不勉強なこともあり、Kさんの腕は固まってしまってもう全く動かないものだと思い込んでいました。

いつもより早めに目覚めて起床されたKさんは、早番の吉田さんが出勤時刻には、朝食の途中にもかかわらず、ぐっすり眠ってしまっていらっしゃいました。

ところが「松山さん、ほら、こっちにきてKさんの腕をさわってごらん。」と熱心に促され、Kさんの腕を触ってみました。なんと驚きです。「わあ!軽い、柔らかい、ブラブラだ!動く!」と感嘆の声をあげてしまいました。

腕が動かないのは、脳からの信号が、そういう命令を発しているからで、熟睡している場合はその信号がでないので、腕の硬直が無くなるのだそうです。
だから腕を触ることで、熟睡しているか否かの判別ができるとのこと。

実は以前、私は様々な難病も改善できる!という不思議な整体の先生に支持して学んでいたことがあます。先生から「殆んどは脳からなんだよ。動かないとか痛いとかは思い込みや錯覚だ。」とのお話しを伺っていました。時間的に余裕がなくなってしまい、全く体得できないまま、足が遠退いてしまいましたが…。今回の体験で、あれは本当なのだなと納得することができました。

事故による怪我や手術で、肉体が衝撃を受けた時の記憶や、お医者様から何らかの病名を言われた時の刷り込みが、肉体の不調や痛みを招いている原因であるとしたなら、現代の対処療法的な医療のアプローチ以外に、もっと有効な方法があるに違いない!と心身の真の健康の追求をライフワークとしている代替療法大好き人間としては、とてもわくわくした体験でした。先輩の皆様、いつもご指導ありがとうございます!

08:40 | Posted by kimisanchi