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【自粛生活と言うもの】  お寺のよこ 岡田

2020年08月11日 | お寺のよこ

2020年は新型コロナウイルス感染が猛威を振るい、緊急事態宣言があってからは休日は外出を自粛され県外へ行く事はおろか近所に出掛ける事すら出来ずに仕事に関しても在宅勤務をしている人も多かった事もあったからか、上半期が終わるのが例年に比べると早く終わったような日々でした。
暫くして緊急事態宣言が解除され、完全ではありませんが日常は普段通りの生活に戻りつつあるも100人を越えようが超えまいが感染者は増えつつあります。と言うのも宣言が解除されてから羽目を外しているのが一番の原因だと考えています。あくまでも事態が終息した訳では無いので勘違いをして調子に乗っているからこのような事になっているので、もう少し状況や立場を考えながら生活しないと駄目だと感じています。
事態はまだまだ続いていますが、皆さんも軽はずみな行動はくれぐれもしない様に引き続き注意しながら生活しましょう。
んの魅力を探せるチャンスだなと思いました。

11:46 | Posted by kimisanchi

【編集後記】  林田

2020年07月13日 | 編集後記

 新型コロナの悪影響が、まだまだ続いています。
 東京都や国は、政治家が決めるので政治的な影響を受けた判断を優先させます。ですが、第2波が来ているのは確実だと思います。楽しいことやにぎやかなことができるのは、いいことですが、生活そのものが変わったということをしっかりと見つめて、その生活に慣れるしかないと思います。
 ワクチンが、安定して供給されこの社会が新型コロナウィルスに対応されるまで、2,3年はかかるでしょう。それまでの間は、新しい生活様式を取るしかないと思います。これは、覚悟をしなければなりません。
 うちの会社は小さいですが、予防策に最善を尽くしています。職員にも、人ごみや蜜を作るようなことはしないでください。と話しています。
 まだまだ危機が去らないので、ここは、我慢のしどころだと思います。

10:42 | Posted by kimisanchi

【醒めない】  お寺のよこ 光岡

2020年07月13日 | お寺のよこ

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新型コロナウイルスの感染状況が少しずつ落ち着いてきました。
まだまだ油断は出来ませんが、一時的に中止をしていた入居者さんとの買い物も6月から再開しています。
約3ヶ月ぶりの買い物ですので、入居者さんも以前どのような物を買っていたのか、どこに買い物に行くのか少し戸惑われているご様子もありましたが、少しずつ思い出されてくるのではないでしょうか。
現在お寺のよこでは8名の入居者さんがおられて、5名の方が90代です。皆さんとてもお元気に過ごされています。
お寺のよこでは7年前の2013年に5名の方がお亡くなりになることがありました。2013年~2014年に掛けて約半分以上の方が新たにご入居されて来ました。その時にご入居された方でお亡くなりになった方もいらっしゃいますが、お元気にお寺のよこで生活されておられる方も3名いらっしゃいます。
短期間で入居者さんの入れ替わりがありましたので、皆さんのそれぞれの特徴や性格、ご本人の思いをスタッフが把握することはとても大変でしたが、入居者さんのそれぞれの思いや願いを理解しどのようにすれば具現化していくことが出来るのか、スタッフ同士で一生懸命に考え具現化出来た時に、入居者さんが(もしくは入居者さん同士が)喜ばれている姿を見ると、とても嬉しくて毎日がお祭りのような夢のような日々でした。
その時にご入居された3名の方、その後ご入居されて来られた方、年月が経過しお年を召したなと感じる場面も増えてきました。出来ることや認識する力が少しずつ少なくなってきていることも感じます。しかし、その中でもはっきりとご自分の意思を仰ったり、他者を気遣われたり、スタッフにアドバイスをして下さったり、それこそ食事作りではまだまだ敵わなかったりと、思う存分に力を発揮されておられます。6年前と状況は変化したとしてもまだまだ醒めない夢のような日々です。そしてそのような日々を一緒に見続けてくれているスタッフにも感謝します。

10:38 | Posted by kimisanchi

【あらためて思う・・・大切なこと】  のんびり家3F 永辻

2020年07月13日 | のんびり家::のんびり家 3F

緊急事態宣言が4月7日に発表されて、その後解除になってからもうすぐ3か月が経とうとしています。私自身この3か月の間、自宅と会社の往復以外、ほとんど外出することなく、ステイホームこと自宅で過ごしていました。長い間自宅に居て時間ができ、自分、家族、友達、仕事のことなど、自分の周りのことを考えていました。
改めていろいろなことを見つめ直し、何が大事なのか考えることが出来たのはとても貴重な時間でした。まだコロナウイルスの状況は続きますが、一日でも早く今までの日常が戻って来ることを願い、私が入居者さんに今出来ることを考え、精いっぱい行動していきたいと思います。

10:37 | Posted by kimisanchi

【自分で・・・・】  のんびり家2F 石井

2020年07月13日 | のんびり家::のんびり家 2F

 のんびり家も長く1室が空き状態でありましたが、ようやく男性の入居があり久々に8名揃いました。現在、のんびり家は女性が5名、男性が3名の8名です。偶然か必然かわかりませんが、たまたま男性の方は頭文字がKさんです。(時折、様々考えながらお名前を呼ぶ時に間違えてしまうことがありました、申し訳ありません。)

 話をのんびり家に戻しますが、女性のTさんですがいつもの口癖が「私はパーになっているからやってください。」と話されることが多いです。しかし、食事の場面ではその都度違いますが女性のKさんと相談、言い合い(?)のようなやりとりをし最終的には調理をされることが多いです。何もわからないと豪語するTさんですが、魚を焼く姿は真剣そのもので、隣で女性のKさんが「もういいかしら。」と話しても身体を少し横に傾けながら火の調節をしながら「まだよ。」と一括。最終的には焦げ目がつくまで焼いていました。 
 まだ入居されて間もない男性のKさんが、ある日食事の時間帯で片腕を高く上げている事がありました。それに、気づいた私ですがそのKさんの心理状態を周囲の環境も含めてある程度理解が出来ていた私は気づかない振りをして様子を見ることにしました。すると、隣に座っていた「私はパーになっているから」が口癖の女性のTさんがKさんに一言告げました。「ここはね、誰もやってくれないから自分でやらないと駄目だよ。」と神妙な面持ちで。私は気づかない振りを継続し、その後男性のKさんは自身で立ち上がり台所に向かい何やら作業を始めました。いつもは、ご自身が眉間にしわを寄せながら「やってくれたらいいのに。」と口癖のTさんですがのんびり家での「先輩」らしい姿を垣間見る事が出来ました。

10:30 | Posted by kimisanchi

【引き出され、引き継がれる記憶】  きみさんち 志寒

2020年07月13日 | きみさんち

ファイル 507-1.jpg ファイル 507-2.jpg 今年もらっきょうを漬ける季節になりました。
私がらっきょうの漬け方を教えて下さいとお見せすると、Aさんは根も皮もついた生らっきょうをさっさと下ごしらえしていきます。そのうち「あ~・・・これね、Kさんも上手なんだよね~、うん、Kさんも上手なんだよね~」と繰り返し始め、暗にKさんをうまく巻き込もうとし始めます。私はこういうしたたかなやりとりが大好きです。私がまな板と包丁をもう一組持ってくると、結果、Kさんも巻き込まれ、1キロのらっきょうはあっという間に漬け終わりました。
このらっきょう仕事、以前、スーパーで「これ、おいしいんだよ」と生らっきょうを買われたので、漬物つぼをお見せすると手際よく漬けられて以来、きみさんちの年中行事に加わりました。
当初はらっきょうなんていつ食べきれるやらと思っていたのですが、生から作られるらっきょう漬けは香りも歯ごたえもよく、一ヶ月もたたないうちに皆さん食べきられました。
体に染み付いたらっきょうを漬ける技術の記憶、きみさんちにいつから置いてあるのか分からない年季の入った漬物つぼが引き起こす記憶。そして新しく積み重なるきみさんち製のらっきょう漬けの味の記憶。たとえひとつひとつの記憶は忘れ去られたように思えても、それらがうまく出会い、絡み合いながら、らっきょう漬けの歴史は続いていくのだろうなと思います。

10:27 | Posted by kimisanchi

【編集後記】

2020年05月26日 | 編集後記

 新型コロナの自粛の間に、うちの会社も少し変化したところがあります。それは、綺麗になった事業所があるのです。事業所の散らかったスタッフスペースが、見違えるようにきれいになりました。
 まるで、さなぎから、きれいな成虫の蝶に姿を変えたみたいです。
 姿を変えるのは、大変なことです。昆虫のさなぎから成虫になるとき、実は自分の体を溶かして、自分を作り変えるのです。その生命力は大きなもので、昆虫にとっては、生きるか死ぬか。と言う瞬間です。
 確かに、事業所をきれいにするのは、そこまでの体力はいらないでしょうが、今回のかたずけは、そのくらいのインパクトがあるものでした。
 ほかの事業所も、たまりにたまった使わなくなった資料や、かたずいていない衣類などがあると思います。
 新型コロナの自粛生活を利用して、入居者さんと一緒にこれは要るのかな?とかたずけをしてみてください。

10:27 | Posted by kimisanchi

【一世紀前】  のんびり家2F 荒野

2020年05月26日 | のんびり家::のんびり家 2F

先日、のんびり家に新たにご入居された男性がいらっしゃいます。私が入職した当初、入居者さんは全員女性でしたが、今は男性が3人と時の移り変わりを実感します。
 さて、こちらの男性ですが、なんと御年101歳。大正7年生まれです。なんでものんびり家に限らず、法人内でも過去最高齢でのご入居になるそうです。大正7年で調べますと、日本では米騒動が起き、世界に目を向ければ第一次世界大戦が終結した年でもあります。学校で近代史として歴史の授業で習う時代です。同じ年に生まれた有名人では元内閣総理大臣の田中角栄や中曽根康弘といった昭和という時代を作った方たちの名前が挙がります。
 そんな御年101歳のKさんから何度か「一世紀生きてきたからね。」というお言葉が聞かれます。一世紀…、実際に過ごしてきた方の口から出ると、言葉の重みが違います。これからKさんの壮大な一世紀に自分がどう関わっていくのかを考えると身が引き締まる思いです。Kさん、色々勉強させていただきます。
 ところでKさんはいい意味で101歳とは思えません。多少足元がふらつく事はありますが、矍鑠(かくしゃく)と歩くお姿や鏡を前にきちんと身支度を整える様は、自分の100歳像を覆すものでした。何と言いますか、5年後もお元気な姿をイメージ出来るほどに心身ともにしっかりしていらっしゃいます。もしかしたら、ここのんびり家から男性の世界最高齢者が誕生!なんて日がくるかもしれません。

10:26 | Posted by kimisanchi

【俄然、無敵です!!!】  のんびり家3F 伊藤

2020年05月26日 | のんびり家::のんびり家 3F

 みなさんお久しぶりです。のんびり家3階の伊藤です。新型コロナウイルスが蔓延していますが安全にお過ごしでしょうか。緊急事態宣言に伴い外出自粛も続いています。
 一日も早い新型コロナウイルス感染症の終息とみなさんのご健康を心よりお祈り申し上げます。自粛期間の為、必要最低限の外出以外は控えて辛抱強く頑張って行きましょうね。
 さて今回のお話しなんですが、のんびり家の入居者さんはとにかく風邪など体調を崩す事がほとんどありません。
 季節の変わり目や寒い時期などまわりでは、風邪が流行ったりするのを聞いたりしますが、のんびり家の入居者さんはみなさん、体調崩しません。えっへん!さすがです!ステキです!無敵です。昔から運動をして、食事をおいしく頂いて、働く。そして今があるという事なんでしょうね。さすがです、強いです、尊敬です、無敵です。
 それに引き換え自分はというと「Haaaaaa」言うのもためらいます。風邪など体調を崩す事は幸いないのですが、この前運動不足だなーと思い近くの土手に珍しくランニングに行くと5分くらい走ったら息切れがものすごい事になり少し歩く事に、落ち着いたのでまた走り出すとその瞬間に足首をひねるという連続技を繰り出す始末です。挙句のはてに筋肉痛です。なんて様です、運動不足です、脆弱です、ガッカリです。あっちなみに腕立て伏せをすると肘がパキパキと音します。(なんでだろ?)
 この話を入居者さんに話したら笑っていました。でもやっぱり元気の秘訣は、笑ったり、お喋りしたり毎日を楽しむって事なんだな~と思いました。
 あらためて言います、のんびり家の入居者さんは俄然、無敵です!!!
これからも一緒に元気に生活して行きましょうね。

10:26 | Posted by kimisanchi

【年齢を重ねて】  お寺のよこ 伊藤

2020年05月26日 | お寺のよこ

 私事ですが、つい先日誕生日を迎えました。50代後半になりました。
昔から母と話をしているとよく「私の歳になったらわかるわよ」と言われることがありました。若かった頃の私は「そんなものかな?」程度に考えていました。その言葉の意味の深さまで考えたことはなかったように思います。
 しかし、今、この歳になって母と話をする時に、あいかわらず母は「私の歳になったらわかるわよ」と言い、それを聞く私はつくづく「本当だな」「きっとそうなんだろうな」と思うようになったのです。
母が50代の時に私に話していたことはこういうことだったのだなと、この歳になってようやく理解できるようにもなったのです。
ただ、現在の母は80代、私自身が80歳を過ぎなければ、今の母の気持ちに共感、同感は出来ていないかもしれません。でも若かった頃の私ではなく今の私ならその話の内容を真剣に考え、その話が悩みや悲しい出来事であれば、どうしてあげることが母にとって一番良いのだろうと何時間も何日も考えて、母に話しかけたり行動に移したり出来るようになってきたように思っています。
「お寺のよこ」には、母と年齢的に近い方や少し離れている方もいらっしゃいますが、皆さんの話されている内容や気持ちが加齢による物忘れや認知症になられていらっしゃる方だとしても、私はその方と一緒に共感して、一緒に考えて、一緒に解決していくことが今、私に出来る支援の中のひとつであると思っています。
母の話の中にも、「お寺のよこ」のご入居者皆さんのお話の中にも人生の先輩として勉強させていただけることや、人間ひとりひとり違う人生を送ってきて、いろいろな悩みや問題を解決されてここまで生きてきたのだなと思うことがよくあります。人生の先輩のお話には深みがあり、悩んでいる私の助け船になり、生きていく上でのヒントや人との関わり方などたくさん教えていただいています。
十人十色と良く言いますが、皆さんの話はさまざまで楽しくもあり、悲しくもあり、その方の人生だったのだなと本当にそう感じています。私はまだまだ50代後半、これからも先輩方の話や助言を聞いて日々勉強です。

10:26 | Posted by kimisanchi

【今、出来ること】  きみさんち 金井

2020年05月26日 | きみさんち

日ごろの衣類の洗濯を純石鹸で始めた10年くらい前の話しです。子どものアレルギーで市販の洗剤が使えず、友人の勧めで昔ながらの純石鹸での洗濯を試すことにしました。
泥汚れもよく落ちるしで今では愛用品になっていますが、当時は石鹸をよく泡立てないと衣類に残ったりして面倒だなと思ったりもしていました。そんな時にいっしょに野菜を売っていた石鹸愛用の年配の女性に、何であなたは石鹸を使い続けているのですかと聞いてみたことがあります。
彼女が言った言葉は、少し過激なのですが「私は銃を持って困っている人を助けるため戦いに行くことはできないから、今自分に出来ることはやることにしている」というものでした。水質汚染など環境問題に常に敏感で熱く語る彼女らしい言葉でした。自分ひとりがやっていることに意味がないと思うのでなく、出来る事をひとりでもちゃんとしていくことが大切ということだと思います。

昨今ウイルス性肺炎のため、人との距離を保ちましょうなどいろいろなところで言われています。こんな時あの人なら自分が出来る事を迷わず貫いて行っているだろうと思います。
きみさんちのテレビでもよくニュースを見ていますが、見ていたAさんがポツリと「じゃあ、私達は出掛けなければいいのね」とつぶやいていました。さすが大正・昭和・平成・令和と時代を生き抜いてきた女性です。出来ることをすばやく判断されていました。

10:25 | Posted by kimisanchi

【早いですね】  のんびり家3F 新宮

2020年05月06日 | のんびり家::のんびり家 3F

今年は子年。良いことも悪いことも増える年のようです。
なので、ハードルを低くして毎日良い日だったと実感したく、「靴を揃える。服のブラシ掛け。食べる前に手を合わせる。」と今年の目標を立てました。
靴のお陰で外を歩けたことに、ありがとうと足元から整える気持ちで手で持ち揃えています。
立春過ぎ、映画館でいただきますと手を合わせホットドックを食べると同時に斜向かいの小さい子供が小声で「あのおばさん。いただきますしてたよ。」母親「日本人はお食事の時はいただきますして食べるんだよ。」子供「食べ終わったら、ごちそうさま言うのかな、あのおばさん。」そうですよね、食べ終わった時は手を合わせてが抜けてました。この日も多き気付きがありました。この日から今現在も、ご家族様も面会自粛の状況です。いつも細やかなご配慮に、いつも以上に感謝の思いでいっぱいです。日常些細なことですが感謝の気持ちを日々持つ為に出来ることをかたちにして続けていきます。
スタッフNさん、いつも話を最後まで聞いていただきありがとうございます。Iさん、いつも土壇場で力を発揮されていること頼もしいです。Yさん、指摘にいつも新鮮さを感じています。Iさ
ん、臨機応変な対応いつも助けて頂きありがとうございます。
Mさんいつも朗らかで明るくなります。

10:27 | Posted by kimisanchi

【信じる力】  お寺のよこ 倉澤

2020年05月06日 | お寺のよこ

「寝床につくときに翌朝起きることを楽しみにしている人は幸福だ」スイスの思想家カール・ヒルティの言葉です。明日目覚めることが出来たらそれだけで楽しい。それだけで十分。それだけで有難いと思えることは、どんなことにも可能性があると信じる力があるからではないでしょうか。先日居間のソファに座っていらしたTさんが、まついだの車が迎えに来るんだよ。と言いながら玄関の方へ向かいご自身の靴を履いて扉を開けようとしておられました。残念ながらお迎えの車が来ることはありませんでした。Tさんは日中に限らず夜間帯も2階の居室と居間を行ったり来たりされることもあり認識力の低下が顕著に見られるようになりました。ある日の午後、私に一生懸命やってるね。ここに座りなさい。こうやって目を瞑るといいよと教えてくれました。Tさんの言われた通りにソファに座り目を閉じると心が落ち着きました。
そうかぁ~Tさんはこのソファに座ることで(最近は横になられることが多くなりました。)一瞬でも安心感を得ることが出来るのかなと実感しました。そして、いつの日か生まれ故郷の松井
田町(群馬県)に帰ることが出来ると信じてお迎えの車を待っているTさんの思いを大切に過ごしたいと思いました。

10:24 | Posted by kimisanchi

【朝顔が咲きました!】  のんびり家2F 石川

2020年05月06日 | のんびり家::のんびり家 2F

Aさんはひとりで動く事ができなくてベッドでの生活です。
余り声を発する事はないのですが、時々「おはよ!」と返事をしてくれるので、何かと話し掛けながら介助をしていました。
特に朝になると「Aさんおはようございます!」とカーテンを開けて「いい天気ですね!」や「今日は七夕ですよ!」と、お天気の事やその日の出来事を話し掛けたりしていました。
2年前のある夏の日の朝、いつもの様にAさんの部屋のカーテンを開けると、ベランダに濃い紫色の朝顔が3つ咲いていました。
「Aさん!朝顔が咲いていますよ!見えますか!」とベッドの上半身を少し高くして話し掛けると、目をぱちぱちさせて、何も言わずにじっと外を眺めていました。
時が流れてまた夏が来ました。いつもの様にAさんの介助をしていましたが、もやもやした気持ちのまま数日間過ごして気が付きました。夏なのに何故か朝顔が咲いていなかったのです。「Aさん今年は朝顔が咲かないですね」と、いつもの様に介助をしていると、真っ黒な澄んだ瞳で私をじっと見つめてきました。(朝顔を気にしているのは私だけでAさんは興味ないのかな?)と少し寂しくなっていました。
ある日、Aさんが入浴している間にベッドメイキングをしながら何となく外を見ると、ベランダに濃いピンク色の朝顔が2つ咲いていました。普段介助している私からは少し見えにくいのですが、ベッドの上半身を高くするとAさんからは良く見える所に咲いていたのです。
私の顔をじっと見つめてきたのは、もしかしたら「朝顔は今年も咲いているよ!」と言っていたのかもしれません。
その数日後、Aさんは体調が優れず入院してしまいました。
痰が絡んで咽ていたら慣れない手つきで吸引をしたり、Aさんの身体がベッドの端に行ってしまっても力が無くてベッドの中央に戻せなかったり、パット交換が手早くきれいに出来なかったりと、私が介助する事でAさんに負担を掛けていた事も多々あったと思います。それでも最後まで一緒に居られたら…という気持ちはありました。
医師や看護師からの指示があれば、介護士でも医療的な事をする事が出来ますが限られていますし、Aさんの体調面を考えるとここでは限界なのかな…と。
Aさんとの事を考えると『介護士って無力だなぁ』と思いました。
Aさんが入院して暫くしたある日、出勤してくると玄関に朝顔の花が落ちていました。その朝顔を見ていたら、Aさんから「頑張れ!私の事忘れないでね!」と言われている様でした。
介護の世界は毎日変化があって、のんびりしている私には追い付かない事ばかりですが、世の中が落ち着いたら新しい施設で過ごしているAさんに会いに行きたいです。
そして、朝顔を見てAさんが私の事を思い出してくれたら嬉しいです。

10:23 | Posted by kimisanchi

【ハミングの行方】  きみさんち 松林

2020年05月06日 | きみさんち

「んーんーんー、んーんーんー。んんんーんんんーんーんーんー」。
ある入居者さんの奏でるハミングの音です。
元々は、体操をしながらの掛け声「イチニーサンシー、ニーニーサン…」だったのですが、何時の間にか体操をしなくなり、ハミングだけが奏でられる様になりました。
では、どのタイミングでそのハミングが奏でられているのかと言いますと、常に、であります。
雑誌を読みながら、玉葱を切りながら、洗濯物を畳みながら、歩きながら、そして、食事を摂りながら、、、と、常になのです。
ご本人が普通にされている事ですので何も言えませんが、一日仕事を終えて帰宅し、子供をあやす時に「んーんーんー、んーんーんー」と、無意識にそのハミングを奏でている事があります。かなり脳内に浸透している様です。
そんな常なるハミングですが、聞かれない時があります。
寝ている時と、話をしている時。
そして、何か気に入らない事があった時には、ぶつぶつと文句を唱えているのです。
ですから、ハミングを奏でられている時は、健全な精神状態の時なのでしょう。
家に持ち帰るくらい、我慢致します。
そんな入居者さんが、ある夜、泣きながらスタッフルームを訪ねていらっしゃいました。
理由を伺うと、既に亡くなられている旦那さんですが、現在、病院に入院しているという思いになってしまったらしく、早く会いに行きたいと泣きながら訴えられています。
どんな病気なのか、何時から入院しているのかなど、一通り話を伺い、明日、朝一番に後見人の方に連絡をしますと話をしました。
すると、とても安心された様子で居室に戻って行かれました。
さて、その時、どうして安心されたと分かったのでしょうか。それは、もうお分かりでしょう。その後姿からハミングが聞こえてきたからです。
「んーんーんー、んーんーんー」
私は、その後姿を見届けながら、思わず笑ってしまい、笑いながら安心して夜勤の仕事に戻りました。
心の安定はとても大切なものですね。

10:21 | Posted by kimisanchi