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【鎮守】  お寺のよこ 光岡

2024年10月18日 | お寺のよこ

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$file1お寺のよこはその名の通り四方をお寺に囲まれた場所に位置しています。
目の前の砂利道はお寺さんの参道でもありますし、入居者の皆さんと近隣のお寺に散歩に出掛けることもあればお一人でお墓参りに出掛けられる入居者さんもいらっしゃいます。
少し足を伸ばせばお寺のよこの氏神様である根津神社(毎年4~5月に開催されるつつじ祭りで有名。夏目漱石の小説「三四郎」にも出て来ますね)があって、こちらにもお一人でお詣りに出掛けられることを日課とされている方がおられます。
それこそ参道となっているお寺さんや大きな観音様が有名なお寺さん(養源寺さん、光源寺さん)は日常的に色々な入居者さんと出掛けては、「ここは良いところですね」「気持ちがスッキリしました」と話される入居者さんの姿を沢山拝見して来ました。
生活とは?日々の営みの中で安心出来る場所、時間が存在することの意味を考えさせられます。例えそのことを数日後、数時間後、数分後に忘れてしまうことになろうとも。
お寺のよこは様々なものに護られている稀有な場所に位置していること。その有り難さを実感せざるを得ません。それは入居者さんのみならずスタッフやお寺のよこに関わる全ての方達を包み込んでくれているかのようです。

09:29 | Posted by kimisanchi

【敬老の日に寄せて。】  のんびり家3階 富永

2024年10月18日 | のんびり家::のんびり家 3F

2024年9月16日(月)敬老の日を迎えました。
65歳以上の高齢者数は、3,625万人。総人口の29.3%。過去最高の更新が続いています。(総務庁比)
のんびり家3階に入居されている方は、概ね私の両親と同じ世代。
戦後の激動の中、日本経済の礎を築いてきたのです。
いま、私らが幸せに暮らせるのは、この世代の方々が頑張ってくれたからだと敬老の日に思います。感謝しかありません。
認知症になっても、現役時代の仕事を忘れずに、作業らしき事を続けている姿を見ると、少し胸が苦しくなります。
戦中派日本人の我慢強さ、勤勉さ、温かさ、そして優しさ。鼻の奥がツーンとしてしまい、両親の姿と被ります。
残された時間はそう多くは無いであろうから、ご入居者には、楽しく、美味しく、穏やかに暮らして頂きたいと切に思います。
微力ですが、お手伝いをさせて下さいね。
来年の敬老の日を笑顔で迎えられますように。

09:28 | Posted by kimisanchi

【挑戦】  のんびり家2階 飛鳥井

2024年10月18日 | のんびり家::のんびり家 2F

私事で大変恐縮ですが。
今私はあることに挑戦しています。そのあることとは、毎年12月になるとあちこちで聞かれる「第九」そう、ベートーヴェンの「第九」に挑戦しているんです。私は元々ゴスペルを習っていて、その時に「ジョイフルジョイフル」と言う曲を歌っていました。ゴスペルでは結構有名な曲なのですが、この曲はベートーヴェンの第九を元に構成されています。この曲ももちろん素敵な曲なのですが、以前から一度は原曲をドイツ語で歌ってみたいと思っていました。
今回は、たまたま新聞の広告で第九の団員募集の記事を見つけ、自分の年齢からしても体力、気力、記憶力を考えて、挑戦するなら今しかない!と思い、挑戦することにしました。
12月の本番に向けて、8月から毎週レッスンをしていますが、ドイツ語は想像以上に難解でした。一番難しいと感じるのは、母音と子音がありますが、フリガナをふろうとすると、カタカナで表記出来ない部分があります。耳で聞いて、楽譜を見て必死に発音を覚えるしかありません。合唱団員は300名弱いますが、初心者は少数で、皆さんベテランの方が多いです。以前にお話した方は「私は合唱を45年やっているけど、いつ歌っても感動するのよ」と話して下さいました。人生の大先輩ばかりで、私なぞひよっこです。先輩方を見ていると、「幾つになっても何かに挑戦するのは少し勇気がいるけど、素敵なことだな」と思います。
ベートーヴェンが第九を作曲したのは晩年、50代になってからだそうですが、この時には耳が聞こえない状態での作曲だったそうです。
第九の合唱は、「歓喜の歌」ですが、ベートーヴェンは一番苦しい時期に「歓喜の歌」を書いたとのことです。苦しいからこそ、「歓喜の歌」を書いて自らを鼓舞したのでしょうか?
今年は、第九の初演から200年という記念すべき年なのだそうです。
ドイツ語の発音には苦戦していますが、本番では楽しく歌えるように、先輩方の胸を借りる気持ちで頑張りたいと思います。

09:27 | Posted by kimisanchi

【庭の木】  きみさんち 田中

2024年10月18日 | きみさんち

きみさんちの小さな庭にいつだれが撒いたのか分からない枝があります。
何時しかブロック塀をこえ、枝に緑の大きな葉が茂り出し今年1個の実をつけました。
なんとそれは柿。
そのお庭のあるお部屋は、利用者さんが入れ替わる度に何かしら手を加えて下さっています。
桃栗3年柿8年と言いますが、果たしてどの方が撒いて下さったのか?
コロナ禍で外に出る事がここ数年出来ておらず、ちょっとした変化も見逃してしまいがちです。そんなころ合いに実を結んだこの柿は果たして甘がきなのか渋柿なのか…?!

09:26 | Posted by kimisanchi

【代表挨拶】NPOミニケアホームきみさんち代表 志寒

2024年09月27日 | 編集後記

ファイル 662-1.jpeg 2024年7月より前代表の林田に代わりまして、代表となりました志寒です。
練馬区関町の事業所ミニケアホームきみさんちの管理者として勤務しておりますが、この度、代表を兼務することになりました。縁あって入職して15年、介護職未経験で入職し、たくさんのご入居者さんと地域の人々に支えられてまいりました。もちろん、同じ職場の仲間、先輩方には業務だけではなく、そこにかける思いや信念を教えられてきました。そのような支えを力に、この法人の思いと信念を、肩ひじ張らずにさりげなく受け継いでいければと思っております。今後ともよろしくお願いいたします。

10:09 | Posted by kimisanchi

【素直な気持ち】  のんびり家3階 永辻

2024年09月27日 | のんびり家::のんびり家 3F

ある日、一人の入居者さんが髪を短く切って帰って来ると、居間で過ごされていた入居者さんが見るなり、「すっきりしたわね。顔が小さく見える。とても似合っていて素敵。」などとたくさんのお褒めの言葉を掛けていました。最後の方は、自分のことのように嬉しくなったのか、嬉し涙を流すほどでした。
言葉を掛けられた入居者さんも、恥ずかしながらもとても嬉しそうな表情をしていました。 その時はいつもより、皆さん話が弾んでいて楽しい時間を過ごしました。
言葉を掛けた入居者さんは、自分の思った素直な気持ちを伝えただけですが、私はその気持ちがとても嬉しく、温かい気持ちになりました。

10:08 | Posted by kimisanchi

【はじめまして】  きみさんち桑澤

2024年09月27日 | きみさんち

初めまして、4月22日から入職いたしました。
資格を取ってから約1年半の訪問介護の後、約20年間グループホームで認知症の方々の支援に従事してまいりました。
「お一人おひとりのニーズに沿った支援」「皆が、自分のペースで自分らしく過ごすことができるための支援」「尊厳を守り『今』を大切に」「笑顔はもちろん、怒りや悲しみも受け止めて寄り添う」等々、たくさんの事を考え、話し合ってきました。
でも「きみさんち」では「目から鱗」でした。「管理色」が全くありません。
ご入居者はゆったりと、まるで自分の家で過ごされているようにお昼寝をしたり、好きなゲームをしたり、お茶を飲んだりされています。そんなおじいさん、おばあさんを見て「ああ、いいところだなー」としみじみ思い、ここで働けることに感謝しています。
今日、私は階段で持っていたお盆から器を1つ大きな音を立てて落としてしまいました。すぐに「大丈夫?」とFさんが駆けつけて落ちた器を拾いあげ、一緒に来てくれたSさんは黙って私の手からお盆を 受け取りキッチンに持っていって下さいました。
当たり前のことかもしれませんが、私にはとても嬉しい出来事でした。そして、あらためて「がんばろう」と思いました。
どうぞよろしくお願いいたします。

10:08 | Posted by kimisanchi

【オリンピックです。】  のんびり家3階 伊藤

2024年09月27日 | のんびり家::のんびり家 3F

みなさん、暑い気温が続いてますがいかがお過ごしでしょうか。
のんびり家の伊藤です。
真夏日で体がばててしまわないよういっぱい食べて、いっぱい寝て、いっぱい笑って楽しんでしまいましょう。熱中症にも十分に注意して下さいね。夏だー、海だー、花火だー、お祭りだー楽しみです。
さてさてオリンピック始まりましたね、のんびり家の入居者さんオリンピック観戦を楽しみにしています。「今日はあれがあるから、楽しみ」と、ワクワクした表情で笑顔が多いです。
やはり、日本人選手の活躍には一喜一憂されています。すごいプレイや技などが見られた際は、拍手喝采。
やっぱりオリンピックは競技がたくさんあって見どころが多く、各国の代表選手がいて応援に力が入ると、笑顔で入居者さんが語られていました。
入居者さんがこんなにも楽しめるオリンピックや選手のみなさんに感謝です。こんな感じで入居者さん、楽しく元気に生活されています。

10:07 | Posted by kimisanchi

【置かれた場所で咲きなさい】  のんびり家3階 富永

2024年09月27日 | のんびり家::のんびり家 3F

4月、某事業所より、のんびり家3階に異動となりました。やっと入居者さんのお顔、お名前、性格等が 分かる様になってきた所です。皆さん個性的な方ばかりですが、毎日勉強させて頂いております。
私事で恐縮ですが、突然の某事業所閉鎖~異動~現在に至る迄、迷いがあり、自信を無くし、くじけそうになりました。しかし、入居者さんが労ってくれたり、スタッフが優しくフォローしてくれたりと、少しずつ自信を取り戻してきています。
「置かれた場所で咲きなさい」という言葉、ノートルダム清心女子大学長の渡辺和子氏の著書タイトル です。置かれた所こそが今の私の居場所であり、咲けない時は根を下に伸ばし、次に咲くときは大きく、美しいものとなるように…上手く伝えられませんが、私の介護もそうでありたいと思います。
のんびり家3階では、還暦に手が届きそうな私ですが、若いスタッフ達の足手纏いにならぬよう頑張っていきます。どうぞお手柔らかにお願いします。

10:05 | Posted by kimisanchi

【新しい入居者さん】  のんびり家3F 新宮

2023年07月31日 | のんびり家::のんびり家 3F

先月の6月下旬に、ご入居されたNさん。「お喋りするのが好きなんです」と明るい笑顔で話されたのが印象的です。他の入居者さん方のお名前を覚えようと、熱心に関わられ、徐々に他の入居者さんとコミュニケーションが取れる様になったと、喜んでおられる姿もみられるようになりました。このようなお喋りを日常にされるようになったある日、お盆の段取りの事やご先祖様の話の流れで、ご主人様は9年前に他界されたことを話されました。続けて、それまでお寺のよこに入居されていたこと、外に出るのが好きで、スタッフが2時間くらい付き添いしていた事があったことなどのお話を聞いていて、段々と思いだしました。お寺のよこでスポット勤務をしていいたときにご入居され、外出付き添いで、メロンパンをずっと見ておられ食べられるかお聞きしたら「お金がもったいないから」と話さ れたこと。お誕生日のお花は何が良いかあれこれ考え、サックスの色と形をしたカラーの花を選んでみたこと。お部屋に飾ってある写真を見せてくださったこと。Nさんに、ご主人を知っていることをお伝えしました。「思い出してくださることが何よりの供養になります」と真っ直ぐな目で応えられていたのが印象的です。これから皆さんと、お互い様で暮らしていかれますよう関わっていきます。

09:44 | Posted by kimisanchi

【お誕生日おめでとう~Hさん♪】  お寺のよこ 倉澤

2023年07月31日 | お寺のよこ

東京都心は、朝から真夏の強烈な日差しが照り付け、午前7時半頃には早くも30度に到達しました。梅雨明けの発表がないまま夏空と猛暑に見舞われている関東地方です。
お寺のよこの玄関前に植えられたプランターのプチトマトはひとつずつ赤くなり収穫が楽しみになってきました。残念ながら5月下旬にNさんとMさんがご逝去され、この種から育てられたプチトマトを見ることは出来ませんでしたがお二人から学び得たすべてのことが赤いプチトマトとして実を結んでいるように感じております。そして一緒に収穫して喜びを分かち合いたかったですね。さて本日7月12日はHさんの92歳のお誕生日です。
お若いときにボクシングのバンダム級のチャンピョン、そして航空自衛隊のパイロットとしてご活躍され、その後仕事で鋳物を作ったり、陶芸の道に進まれた経験の持ち主のHさんはご入居されてから毎週土曜日に陶芸教室に 通っておられます。利用者のリクエストに答えてお茶碗、コーヒーカップ、花瓶などを作り、皆さんに感動と笑顔を与えてくれておられます。最近足腰が弱くなってきておられますが歩かないと筋力が衰えるからねと自覚し息を切らせながら歩く姿に職員も励まされる毎日です。眠れずに真夜中に片付けをしたり、お家賃の心配をされることも多いですが、先日私に「帰る家はなくなりましたがここは楽しいですよ」と笑顔で答えてくれました。その一言がとても嬉しくて、これからも職員と協力しながら楽しい生活のお手伝いが出来るように考え続けようと思いました。

09:44 | Posted by kimisanchi

【夏だ! 猛暑だ! かき氷だ!!】  きみさんち 田中

2023年07月31日 | きみさんち

コロナによる規制もようやく緩和されつつありますが、3年経った今でも感染者は増える一方。
季節性のものと国は定めたようですが、インフルエンザの様にいつとはハッキリせず、第9波が来ているとかいな いとか…。
そんな中きみさんちがあります東京都では38度という外気温を示し、ゆだるような暑さが利用者の皆さんを襲いま した。
熱中症にならないためにも水分摂取は必須です。
ですが、高齢になればなるほど水分を飲むことが困難になってくるようです。
理由として…
トイレに一杯行くようになっちゃうから(利用者Fさん談)
新陳代謝が落ち、のどの渇きを感じづらくなるからというのが大きな原因と考えられています。(まだまだあるとは思いますが…)
そこできみさんちでは数年前におもちゃのかき氷機を購入しおやつにかき氷を提供。
これが見事にはまりお茶を口にすることが少ない方でもかき氷にするとしっかりと召し上がることができるのです。
元を辿れば水。飲むのには無味で味気ないものも、かき氷にしてしまえば美味しいと皆さん口にして下さるのです。
この原稿を書いた日も、中々お茶を飲んでもらえず、以下のレシピでかき氷を提供。
皆さんあっという間に平らげておりました。
以下本日の氷レシピです。
1,桃缶(一口大にカット)
2,網目メロン(頂きもの?一口大にカット)
3,100%マンゴージュース(あったから使っちゃいました!)
4,氷(当たり前ですよね!!)
*好きなものを乗せて食べればよいのです。
これを削った氷の上に皆さん各々、好きなだけ乗っけてもらい食べました。
ふとFさんが、「昔は自転車の後ろに乗っけて売りに来てたのよね」とアイスキャンディー屋さんを思い出し、楽しかった思い出と共にかき氷を食べていらっしゃったのがとても印象的でした。
今年もいつまでこの暑さが続くのか… かき氷と共に厚さを乗り切って行くのも一つの手の様です。

09:42 | Posted by kimisanchi

【幸せって何だっけ♪】  お寺のよこ 佐藤

2023年06月30日 | お寺のよこ

かなり前のテレビ番組で明石家さんまさんが歌っていた「幸せって何だっけ♪」というフレーズがあるんですが、Nさんは良く歌口ずさみ「幸せ、幸せ」と続けて仰います。
何が幸せなのか尋ねると、食事の時は「美味しく食べられる」、入浴時は「お風呂に入れてもらって幸せ」と、両目がほとんど見えなくなってから同じ言葉を繰り返すことが多くなり、最近は「東京にあこがれて出てきた」と、良く発言され、若いころはバスの車掌さんをされていたそうで、切符を切って踏ん張って立っていたから足が太くなったと、目が見えていたころは笑いながら教えて下さりました。
大正15年生まれ97歳のNさんですが、私も東京にあこがれて出てきたので、生きている時代は違いますがその気持ちがとても良く分かります。
少し若いころの写真が居室にあり、車掌さんをされていた若い頃はチャーミングでモテていたのでは?と思います。
この間も就寝支援をし、Nさんが又「幸せ、幸せ」と仰ったので、私もNさんと出会えて幸せですと伝えると「恐縮です」と笑って照れておられました。
Nさんはご入居当時から100歳まで頑張る!と仰っていましたので、Nさんが幸せだと感じる事が続くように支えたいです。

10:36 | Posted by kimisanchi

【ありふれた日常】  のんびり家3F 永辻

2023年06月30日 | のんびり家::のんびり家 3F

今年の5月にコロナウィルスが第5類に変更になり、三年ほど続いたコロナウィルスの中の自粛生活も少しずつ前の生活に戻って来ています。
全国で毎年のように今年はこのお祭りが中止です。あの催事が中止です。とニュースで流れていましたが、最近は数年ぶりにお祭りや催事が開催されたとニュースで良く耳にします。
町内会のお祭りや催事が開催されたら、今年は感染症対策をしっかりと行い、入居者さんと一緒に参加したいと思います。
コロナウィルスが第5類に変更になりましたが、コロナウィルスがなくなった訳ではないので、引き続き感染症対策を取りながら、感染者を出さないようにして、少しずつ三年前みたいな、ありふれた日常に戻れるようにしたいと思います。

10:35 | Posted by kimisanchi

【つなげるビワの木】  きみさんち 志寒

2023年06月30日 | きみさんち

ファイル 652-1.jpegきみさんちの庭のビワの木、ここ数年は伐採のタイミングが悪かったのか実をつけませんでしたが、今年はたわわに実を付けました。部屋の窓からビワが少しずつ色づくのを 楽しみに眺めておられたTさんも収穫に満足なご様子。そういえば、Tさんが入居されてしっかりとした実が成ったのは初めてですので、感慨もひとしおなのでしょう。隣に座った介護福祉士の専門学校実習生に、実を見せながら「かわいいんだよ~」と握ったその実を大事そうに見せておられます。そして、いくつかあった実を一緒に召し上がりました。
実習生は台湾の方でビワは台湾にもあるとのことですが、ベトナム人のランさんは見たこ とが無かったと。ビワひとつでお国柄にも話がはずみます。
このきみさんちのビワの木は、実が成ればご近所の方が「このビワはいい品種だよ」と井戸端会議のきっかけにもなりましたし、葉をシップに使うので分けて下さいとお菓子と交換しに来られた方もおられました。今年は障がいをお持ちの方の団体に、ビワの葉で染め物を作るためにとお分けしましたし、この葉でビワの葉茶を作って運営推進会議で飲んでいただいたこともありました。どうも、この木には人をつなげる力があるようです。
今でも懐かしく思い出すのはこのビワをこよなく愛していたKさん。ビワが成るとご自身で食べるのももちろん、散歩中、ご近所の子どもたちにも分けていたとのこと。しかも、「盗ったんじゃない、もらったんだよってお母さんに見せてね」と一言を添えていたそうです。“ビワのおばあちゃん”と子どもたちの話題になっていたのを知ったのはご近所情報から。どおりでいつの間にか実が無くなるはずです。Kさんに「食べちゃった?」とたずねると「頭の白いカラスが食べてんだよ」と舌を出していましたが、まさか子どもたちにあげていたとは私たち職員も知りませんでした。そのKさんもお亡くなりになりましたが、時間を超えて、ビワの木が思い出をつなげてくれています。
いま、練馬区は緑被率(植物に覆われている面積)が下がり、長年の一位の座から転落しました。この練馬区の緑被率の高さは農地が多いからだけではなく、その半数近くは一般のお宅のお庭であるとのこと。このビワの木も、みどりの練馬を守る大切な一員です。いつまでも、豊かな葉を茂らせてほしいと願います。

10:34 | Posted by kimisanchi